「3年以内の離職」を予定する男性新入社員は約2割、女性は3割に
新型コロナの流行によりビジネスではオンライン化が加速したものの、5類に分類されて以降、対面コミュニケーションに戻りつつある。一方で、ChatGPTの普及や技術の進歩により、仕事のあり方など社会には大きな変化が起きている。そのような中、2023年4月に入社した新入社員は、これからの働き方やキャリアについて、どのような考えを持つのだろうか。はじめにマイナビは、「今の会社であと何年くらい働くと思うか」を尋ねた。すると、「3年以内」が24.1%、「4~5年以内」が16%、「6~10年ぐらい」が9%と、「10年以内」と回答した人は49.1%となり、約半数におよんだ。
男女別に見ると、「3年以内」との回答は、男性が18.3%、女性が30%で、女性のほうが多い傾向にあることがわかった。
「ライフステージに合わせた働き方」のために離職を考える新入社員が多数
次に同社は、「10年以内に離職したいと考えている人」を対象に、「今の会社で長く働くと思わない理由」を尋ねた。その結果、「(結婚・出産など)ライフステージに合わせて働き方を変えたいから」(32.6%)が最も多く、以下、「給料が低いから」(28.8%)、「いろいろな会社で経験を積んでいきたいから」(25.7%)と続いた。男女別に見ると、「ライフステージに合わせて働き方を変えたいから」とした男性は20.9%だったのに対し、女性は41.6%で約2倍の値となった。出産など自身の環境変化について、男女で対応の意識が大きく異なることが示唆された。
「月収18万円以下」の社員の3割超が「3年以内の離職」を予定
続いて同社は、「勤続意向年数」と「現在の月収」をクロス集計した。すると、「月収18万円以下」では「3年以内」が36.7%で最も多かった。また、「月収22万~24万円台」では「10年以上」が37.1%と最も多く、給与が勤続意向に少なからず影響を与えることがうかがえる。「ゆるい職場」でも「3年以内」の離職を考える人は2割を超える
次に同社は、「勤続意向年数」の回答を「現在の職場環境」とクロス集計した。その結果、「3年以内」の離職意向を示す人は、「ゆるくない職場」が33.6%、「ゆるい職場」が24.8%だった。厳しい職場における離職意向はやや高いものの、ゆるい職場であることも勤続意識に影響することが示された。「ゆるくない職場環境」ではコミュニケーションが頻発する傾向に
また、「現在の仕事環境」を尋ねると、全体では「コミュニケーションを取りながら進める仕事が多い」(50.6%)が最も多かった。以下、「身につけるべきスキルが明確である」(33.1%)、「配属当初と比べて成長したと感じる」(31.5%)が続いた。また、「ゆるい職場」と「ゆるくない職場」で割合を比べたところ、ゆるくない職場では、「コミュニケーションを取りながら進める仕事が多い」の回答割合がゆるい職場より13.6ポイント高く、特に差が顕著だった。次いで差が開いたのは「1人で進める仕事が多い」で、ゆるい職場がゆるくない職場より13.3ポイント高かった。上司や同僚とコミュニケーションを取りながら仕事を行うことで、「ゆるい」と感じることが少なくなるようだ。
上司や先輩の積極的なコミュニケーションは勤続意向年数の上昇に寄与か
最後に同社は、「上司・先輩の態度や行動で嬉しかったこと」を尋ねた。その結果、「話し掛けてくれる(雑談)」が60.6%で最も多く、次いで「話しかけやすい(雑談)」が39.1%だった。また、「褒めてくれる」(36.8%)や「よくないときはきちんと指摘してくれる」(31.4%)はともに3割を超えた。このことから、同社は「上司や先輩は、成長のための指導をするだけでなく、雑談などを含めた積極的なコミュニケーションが求められている」との見解を示している。