人事部が注力したい育成対象者は「管理職層」が上位に
人的資本経営への関心が高まる中、企業における人材育成が課題となっているが、人事担当者はどのような人材の育成に注力したいと考えているのだろうか。ラーニングエージェンシーはまず、「特に注力して取り組みたい育成対象はあるか」と尋ねた。同質問への回答を従業員数300名以下の企業(以下、300名以下)と、301名以上の企業(以下、301名以上)とに分けて同社が分析すると、いずれの企業規模においても「既任管理職」がトップだった(300名以下:64.2%、300名以上:59.3%)。その他上位項目は、300名以下では「新任管理職」(61.1%)、「リーダー」(58.9%)と続いた。一方の301名以上では「リーダー」、「中堅社員全般」(ともに58.8%)、「新任管理職」(57.1%)と続き、企業規模を問わず「管理職層」の育成に注力したいとの回答が上位にあがった。
新入社員の課題は企業規模を問わず「主体性・積極性」が最多に
次に同社は、「勤務先の2022年度の新入社員について、知識・スキルや業務への姿勢で課題に感じること」を尋ねた。すると300名以下、301名以上のどちらでも「主体性・積極性」がトップだった(300名以下:37.4%、301名以上:53.7%)。「主体性・積極性」の項目の割合はどちらも最高値だったものの、301名以上が300名以下よりも16.3ポイント高く、差が大きかった。以下、300名以下では、「報告・連絡・相談」(28%)、「目的・目標の理解」(27.5%)が上位となった。他方の301名以上では、「メンタルタフネス」(43.2%)、次いで「目的・目標の理解」(31.6%)となった。
入社2~4年目の若手社員の課題も「主体性・積極性」が企業規模を問わずトップに
続いて、「勤務先の入社2~4年目の若手社員について、知識・スキルや業務への姿勢で課題に感じること」を同社が尋ねた。すると、こちらも企業規模にかかわらず「主体性・積極性」が最多となった(300名以下:57.7%、301名以上:70.5%)。特に301名以上では7割を超えており、新入社員の課題と同じ項目であるものの数値が大きく、より求められていることがうかがえる結果となった。ほか、300名以下では「目的・目標の理解」(36.3%)、「改善策の立案・実行」(33.5%)と続いた。一方の301名以上では、「メンタルタフネス」(43.2%)、「タスク管理・進捗管理」(37.9%)が上位だった。若手社員の育成に関する課題は、企業規模によって上位項目が異なる結果となった。