約7割の企業で「成果評価(成果目標の達成度)」を評価項目に取り入れている
旧来の年功序列による人事評価の問題点が指摘されている今、企業の評価制度の実態はどうなのだろうか。フォー・ノーツはまず、「自社の評価制度で採用されている評価項目」を尋ねた。すると、「成果評価(成果目標の達成度)」が69.8%で最も多くなった。以下、「行動評価(目標達成に向けたプロセスおよび行動)」が60.5%、「能力評価(知識やスキル)」が50.5%、「あいまい・わからない」が17.3%、「バリュー評価(自社の価値観や行動指針)」が15%、「360度評価(多面的評価)」が14%という結果になった。人事評価で重視するポイントは「成果・業績など仕事の結果」が最多
次に同社は、「自社の人事評価で最も重視されているポイント」を尋ねた。すると「成果・業績など仕事の結果」が43.3%で最多だった。以下、「あいまい・わからない」が19.5%、「行動・能力などの仕事のプロセス」が15.8%、「経験・勤続年数・年齢など」が11.3%、「業務内容・役割などの職務の重さ」が10.3%となった。自社が「年功序列である」とする回答は7割超に
続いて、同社が「自社は年功序列か」を尋ねると、「年功序列である」(17.8%)と「やや年功序列である」(54%)の合計が71.8%となった。同社は前出の結果も踏まえて、「評価ポイントでは成果を重視する一方で、多くの企業で年功序列の要素も併存している」と考察している。「年功序列である」と回答した人が最も“転職願望が高い”傾向に
さらに同社は、「自社でいつまで働きたいか」を尋ねた。すると、「今すぐにでも転職したい」が9.3%、「いい転職先があれば転職したい」が36.3%で、「転職したい」との回答の合計は45.6%となった。この回答を「年功序列である」、「やや年功序列である」、「年功序列ではない」のグループ別に分析すると、「年功序列である」とするグループでは、「転職したい」人の合計が54.9%(すぐに転職したい:15.5%、いい転職先があればしたい:39.4%)となった。また、「やや年功序列である」グループでは同合計値が43.1%(すぐに転職したい:8.8%、いい転職先があればしたい:34.3%)、「年功序列ではない」グループでは、44.3%(すぐに転職したい:6.2%、いい転職先があればしたい:38.1%)となった。
転職を希望する理由は「人事評価に納得できない」が最多
さらに、「転職を希望する理由」を尋ねると、「給与や処遇など人事評価に納得できない」が47.8%で最多だった。以下、「自分が成長できるビジョンがもてない」が47.3%、「会社の将来性に不安を感じる」が27.5%、「会社を信頼できない」が25.8%、「心身共に健康に働ける環境がない」が24.7%と続いた。また、先のグループ別の結果では、「年功序列である」グループの「人事評価に納得できない」との回答が71.8%となり、他グループに比較してその割合の高さが顕著に現れた。