武田薬品工業株式会社(以下、タケダ)は2022年6月7日、職場における多様性・公平性・包括性(以下、DE&I)の理解や働き方改革のさらなる推進を目的として、社内向けアプリケーション「Someone's Day」の開発および、アプリケーションを用いた体験型プログラムの導入を発表した。同社は、本プログラムを通し、今後のよりよい働き方の検討や、職場におけるDE&Iの実践をより強化していく見通しだ。
武田薬品が「多様な働き方」を体験できる社内向けアプリを導入。チーム内での相互理解を促し、DE&Iのさらなる推進へ

業務中の「突発的な出来事」の実体験で、多様な働き方の認知を図る

多様な人材が活躍する組織づくりを目指し、人材育成や働き方のダイバーシティを推進しているタケダは、「仕事」と「育児・介護・家族の病気」を両立する日常生活を体験し、多様な働き方の認知などにつなげるアプリケーション「Someone's Day」を開発した。また、アプリケーションの開発にともない、同アプリケーションを用いた体験型プログラムを実施している。

「Someone's Day」は、同社内のジャパンファーマビジネスユニット(以下、JPBU)および日本オンコロジー事業部(以下、JOBU)の従業員向けに、「多様な働き方の認知」、「自身の働き方の見直し」、「生産性向上」をサポートすることを目的として開発されたものだ。アプリケーションの開発においては、2021年度にJPBUが実施したDE&Iをテーマとしたディスカッションで、実際に従業員から提案されたアイデアが取り入れられているという。

「Someone's Dayプログラム」は、同アプリケーションを用いた体験型プログラムとなる。参加者は約2週間、業務中に育児・介護・家族の看病などに関連した「突発的な出来事」が起こった際に、実際に「業務を中断し、帰宅する」などといった体験をするという。プログラム参加者からは、「仕事以外での突発的イベントが、いかに業務に大きな影響を与えるかを体験できた」や、「自分自身が体験していないケースについても日頃からの準備が必要だと気づいた」といった声があがったという。

同社は、同プログラムの開始前後に参加者間でのディスカッションを行うことで、よりよい働き方の検討や、職場におけるDE&I推進を目指す考えだ。

育児や介護などの事情で、やむを得ず業務を中断する可能性がある人にとって、「周りの理解が得られるか」は大きな心配事のひとつだろう。「事情を抱えながら働くこと」を自分事として経験できる同社の体験型プログラムは、多様な人材を活かす働き方や、それぞれの立場への相互理解を促す取り組みのヒントになるかもしれない。

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