“未来のパパ”の6割以上が「育休を取得したい」と回答
2022年4月以降、男性の育休取得促進を目的の1つとする「改正育児・介護休業法」が段階的に施行されるが、働くパパや男性の「育休取得」に対する意識や、実際の取得率は変化しているのだろうか。まずピジョンは、将来子を持つことを見込んでいる「プレプレパパ」と、パートナーが第1子を妊娠中である「プレパパ」の男性に対し、「育休を取得したいかどうか」を尋ねている。すると、「プレプレパパ」の68.4%、「プレパパ」の64.9%が、「取得したい」と回答している。
高い「育休取得意向」に対し、実際の取得率は約5割 に
一方で、子を1人以上持つ男性に対する「出産や育児のために育休や有給を取得したか」という質問に対しては、「育休と有給のどちらも取得していない」が50.4%と半数にのぼった。さらに「育休制度の利用」に限定すると、「取得した」と回答した男性は全体の26.4%にとどまった。育休を取得して、積極的に育児に関わりたいという男性の意向と、実際の育休取得率に大きな乖離が見られ、男性が「育休を取得したくてもできない」という現実が明らかになった。
“未来のパパ”の約半数が「1ヵ月以上の育休取得」を希望も、実際の取得期間は「1週間以下」が多数
同調査では「プレプレパパ」および「プレパパ」に、「どの程度の期間、育休を取得しようと思うか」を尋ねている。この質問に対して「1ヵ月以上」の取得期間を希望した男性は、「プレプレパパ」が44.6%、「プレパパ」が44.1%だった。しかし、現在子を持つ父親に対して「実際の育休の取得期間」を聞くと、「1ヵ月以上の育休を取得できた」という男性は15.2%にとどまり、「1週間以下」が合わせて76.4%にのぼった。「プレプレパパ」および「プレパパ」の理想に対し、実際にはごく短期間でしか取得していない実態が浮彫りとなった。
約5割の男性が育休取得中の「所得減少」を不安視
また、育休取得を望まない男性に「育休を取得したくない理由」を尋ねた質問では、46.8%が「所得が減ることに不安がある」と回答し、取得したくない理由の1位となっている。以下、「今後のキャリアへの影響」が24.2%、「職場へ迷惑をかけそう」および「育休を取得しづらい雰囲気がある」が共に22.6%となった。この結果により、男性の育休取得に対して、企業側の制度設計や体制づくりが充分に進んでいない現状があることがうかがえる。男性の育休取得は「妻やパートナーからの働きかけ」も後押しに
同調査では、育休取得意向のある“未来のパパ”と、育休取得経験のある男性に対し、「育休を取得した(したい)理由」についても質問している。すると、子の有無にかかわらず、「妻・パートナーの体調や精神的負担が心配」や、「自分の子の成長がみたい」、「夫婦で一緒に子育てしたい」といった回答が上位にあがっている。一方で、実際に育休を取得した男性に多かった回答のひとつに「妻・パートナーに頼まれた」(11.9%)がある。この結果により、企業側の「制度整備」や「育休を取得しやすい雰囲気づくり」以外に、「妻やパートナーからの働きかけ」が後押しとなっていることがうかがえる。