株式会社ダスキンは2024年3月22日、「配偶者出産休暇」の有給休暇(3日間)付与の対象者をアルバイト含む全男性社員へと拡大し、同年4月1日より運用すると発表した。これにより、全男性社員の育児休業取得を目指したい考えだ。
ダスキンが「配偶者出産休暇」の対象者を“アルバイト含む全男性社員”に拡大。「男性育休取得率100%」達成企業の取り組みとは

「配偶者出産休暇」の対象者を拡大し、人的資本経営の推進へ

ダスキンは「配偶者出産休暇」(有給休暇:3日間付与)について、2024年4月1日より、対象者を従来の「正社員のみ」から「アルバイト社員を含む全男性社員」に拡大すると発表した。

同社は、持続的に成長し続けるためには少子高齢化による就労人口減少への対応を行うことが重要だと考え、全男性社員の育児休業取得を目指している。多様なキャリアや社会的背景(性別・年齢・国籍・ライフスタイル等)を持つ社員が互いを尊重し合い、個々の能力を最大限に発揮することによって、変化し続ける事業環境や多様化する顧客ニーズに効果的に対応し、新たな価値や優位性を創出したい考えだ。

また同社は、社員が仕事と家庭生活を両立しながら、個々の持てる能力を最大限発揮し、やる気を高め、達成感・満足感を得られるような環境づくりを行っている。その一環として、仕事と子育ての両立を図るための雇用環境の整備をはじめ、多様な労働条件の整備などに取り組むにあたっての行動計画を策定・推進しているという。2022年度には、同社正社員の男性育児休業取得率は100%を達成(同社独自の育児休暇制度取得含む)したとのことだ。

同社独自の育児休業制度である、「配偶者出産休暇」の概要は以下の通り。

●対象社員:同社の全男性社員(アルバイト含む約1,750人)
●取得期間:原則配偶者の出産後から約8週間に3日間有給休暇を取得(分割での取得も可)


2022年10月からの「産後パパ育休(出生時育児休業)」の施行など、公的制度の充実を受け、同社でも育児休業制度の活用を積極的に推進しているという。公的制度に加え、配偶者が出産した正社員に対して3日間の有給休暇を取得可能とする「配偶者出産休暇」を40年以上前から独自に導入しており、今回はこの制度において対象を拡大した。

このように同社では、社員一人ひとりがやりがいを持ち、いきいきと働きながら健康で仕事と家庭生活を両立するために、キャリア実現を支援し、働き方改革・健康経営を推進するなど、働きやすい環境づくりに努めているという。従来の「人的資源」としての考え方から企業価値を高める「人的資本」へシフトするとともに、経営戦略と人材戦略を連動させる「人的資本経営」を強固なものにするための変革を進めており、以下のような取り組みを行っているとのことだ。

●D&Iの一環として、女性社員の活躍を推進
●健康経営の推進


同社は2023年2月に、厚生労働大臣より「子育てサポート企業」として2度目の「くるみん」認定を取得している。今後は「プラチナくるみん」認定も視野に入れ、子育て支援を推進していく意向だ。
積極的に人材へ投資する「人的資本経営」を行うことが、企業価値の向上につながると考えられる。その一環として、従業員の雇用形態にかかわらず全男性社員が育休取得できるよう推進することは、企業における先行事例といえるだろう。このような他社事例を参考に、自社でも労働環境の整備やキャリア支援などに取り組んでみてはいかがだろうか。

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