“女性特有の健康課題”に関する働く女性の本音とは。約6割が「月経・PMS・更年期症状」の仕事への影響を実感

約6割の女性が「月経やPMSが心身に影響している」と回答。パフォーマンスへの影響も

女性の中には月経やPMS（月経前症候群）によって、体やメンタルに不調が現れる人もいるだろう。特にPMSは症状や起きるタイミングが一定でないこともあり、対処が難しいとされている。では実際に月経やPMSなどは、働く女性にどの程度の影響を及ぼすのだろうか。

はじめにヘルスケアテクノロジーズは、「月経・PMSで体の痛みやメンタルへの影響はあるか」と尋ねた。すると、「はい」が58.8％、「いいえ」が41.3％で、6割弱が「影響がある」と回答した。

続いて同社は、「月経やPMSで体の痛みやメンタルへの影響がある」とした回答者に、「元気なときの仕事の出来を10点とした場合、生理期間前後やPMS中の仕事の出来は何点か」を聞いた。その結果、平均は「4.8点」となり、仕事のパフォーマンスは半分以下に下がることが示された。

この結果から、月経やPMSの影響が心身に及び、仕事に支障が出ている女性が多くいることがうかがえる。

更年期を自覚する女性の6割超が「仕事への支障を我慢」

続いて同社は、更年期の症状を自覚する40～50代の女性を対象に、「更年期の症状が仕事に支障をきたしていても、我慢をしている状況があるか」を尋ねたところ、「はい」が64.5％で6割を超えた。

そこで同社は、「更年期の症状を我慢している」とした回答者に「元気な仕事の出来を10点とした場合、更年期の症状出現時の仕事の出来は何点か」を尋ねた。すると、平均は「5.1点」となり、更年期症状の影響により仕事のパフォーマンスが半分ほどに落ちていることがわかった。

この結果から、40～50代で更年期の症状を抱える女性は多く、仕事に影響をきたしつつも我慢していることや、仕事のパフォーマンスに支障が出ていることが明らかとなった。

「月経・PMS」の不調症状や「更年期症状」に悩む人は何らかの対処で症状が改善

また、同社は月経・PMSで体の痛みやメンタルに影響があるとした回答者に、「何らかの対処をしたことで症状が改善した経験があるか」を尋ねた。その結果、「ある」は49.5％と、約2人に1人が改善を経験していた。

さらに、更年期の症状を自覚する人に「何らかの対処をしたことで更年期症状が改善した経験はあるか」を尋ねたところ、35.5％が「ある」との回答だった。約3人に1人が、何らかの対処により更年期症状の改善の経験があるとしていることがわかった。

この結果から、何らかの不調を抱えつつも対処できずに我慢している人も多いが、対処方法があることを広く伝えることで、症状を改善できる人の割合は増えることが見て取れる。

多くの女性が「仕事上の健康面のサポート」を重要視か

最後に同社は女性に対し、「女性に特化した健康支援は、仕事のパフォーマンスの維持や、長く働くことにプラスになるか」を尋ねた。その結果、「はい」は76.3％と7割を超えたという。

そこで、「利用できると仕事の生産性の向上や長く働くことにつながりそうな施策」を尋ねたところ、「柔軟な働き方（テレワークやフレックスタイムなど）」（28.3％）が最多で、次に「時間単位の休暇取得ができる制度・環境」（26％）と、働き方の面における制度が上位に挙がった。3位以降は「婦人科受診費用の補助」（22.5％）、「生理休暇」（18％）、「低用量ピルの服薬支援（費用の補助）」（16.3％）と、健康支援の施策が続いた。

また、20代女性の回答を抜粋すると、「低用量ピルの服薬支援（費用の補助）」（32.1％）が最も多かった。以下、「婦人科受診費用の補助」（22.9％）、「生理休暇」（21.1％）と、健康支援の傾向が強く見られた。これらを踏まえると、多くの女性が仕事上における健康面のサポートを必要だと感じていることが推測できる。

本調査結果から、女性の6割が「月経やPMSで体の痛みやメンタルへの影響がある」、「更年期症状が仕事に支障をきたしているが我慢している」と感じていることが明らかとなった。一方で、何らかの対処によって症状が改善した人も3割以上いることがわかった。多くの女性が、健康支援に向けたサポートの重要性を感じていると考えられる。テレワークや時間単位の休暇取得など女性が求める制度や環境の整備を検討することが、従業員のパフォーマンスの維持や長期雇用につながるのではないだろうか。