oVice株式会社は2023年7月11日、「大企業社員の勤務形態に関する実態調査」の結果を発表した。調査期間は2023年6月12日〜13日で、5月8日の新型コロナウイルスの5類移行後に出社が増えた大企業(従業員数1,000名以上)に所属する、ハイブリッドワーカー(本業をしながら副業も行う人)109名から回答を得た。本調査から、大企業社員の勤務形態の実態や課題感が明らかとなった。
アフターコロナでの“出社回帰”に対する大企業社員の本音とは? 7割超が「出社の意義を感じる」も「ストレス増加」が約8割に

「出社に意義を感じている」と答えた社員は7割を超える

新型コロナウイルスの感染症対策としてリモートワークを推進してきた企業でも、5類移行を境に出社の割合が増えたケースもあるだろう。出社頻度が増えたことにより、大企業社員の働き方への意識は変化したのだろうか。

始めにoViceは、大企業の社員109人に対し、「出社に意義を感じているか」を聞いた。すると、「意義を感じている」が75.3%(とても感じている:29.4%、やや感じている:45.9%の合計)で、7割以上の人が出社を肯定的に捉えていることがわかった。
出社に意義を感じているか

出社の増加による“ストレス増”は8割以上。「生産性が上がらない」とした人も7割弱に

続いて同社が「出社が増えたことで仕事へのストレスは増えたと思うか」を尋ねたところ、「ストレスが増加している」が78%(非常にそう思う:32.1%、ややそう思う:45.9%)だった。出社に意義を感じている人が7割以上いる一方で、ストレスを感じている人も8割程度いるようだ。
出社が増えたことで仕事へのストレスは増えたと思うか
また、「出社が増えたことで業務の生産性はどのように変化したか」と聞いたところ、「業務の生産性が上がっていない」が66.1%(変わらない:40.4%、やや下がった:20.2%、とても下がった:5.5%)と、6割に達した。このうち、「生産性が下がった」と答えた割合は、全体の2割を超えた。
出社が増えたことで業務の生産性はどのように変化したか

仕事へのストレス増加理由は「通勤時間増加」や「ランチ代・交通費などの支出増加」

続いて同社は、出社によるストレスの増加に関する質問で「非常にそう思う」、「ややそう思う」とした回答者(85人)に、「出社が増えたことで、仕事へのストレスが増えた理由」を複数回答で聞いた。その結果、「通勤時間が増加したため」(75.3%)がトップで、以下、「ランチ代や交通費など支出が増加したため」(56.5%)、「プライベートの時間が減少したため」(51.8%)となった。
出社が増えたことで、仕事へのストレスが増えた理由

理想の出社頻度は「週の半分未満」が約7割

さらに同社は、全体に対し「理想の出社頻度」を尋ねた。すると、「週1日出社」(27.5%)が最も多く、以下、「週2日出社」(22.9%)、「月1~2回出社」(11.9%)、「フルリモートワーク」(6.4%)と続いた。出社の頻度を「週の半分未満に抑えたい」人の合計は68.7%と、7割に迫ることがわかった。

これにより同社は、「出社の意義を感じつつも、ストレスを感じることも多くなるため、頻度は少なくしたいという意識があるのではないか」と推察している。
理想の出社頻度

ハイブリッドワークの課題は「連携が必要な社員と出社のタイミングが合わない」が最多に

最後に同社が、「出社とリモートワークが混在する環境において生じている問題」(複数回答)を質問したところ、「連携が必要な社員と出社のタイミングが合わない」が45.9%でトップだった。以下、「オンライン会議を行うための個別の隔離スペースがない(足りない)」が37.6%、「フリーアドレスなどの導入で誰がどこにいるかわからない」が36.7%と続いた。

出社のタイミングが同僚と合わない、出社しても誰がどこにいるのかわからないなどの「コミュニケーションのとりにくさ」や、出社時の「オンライン会議環境の改善」などに課題を感じる人が多いようだ。
出社とリモートワークが混在する環境において生じている問題
本調査結果から、7割超のハイブリッドワーカーが「出社に意義を感じている」と回答した一方、それを上回る約8割が「出社によるストレス」を感じていることや、「生産性は上がらない」と感じている人も6割以上いることがわかった。コロナ禍でリモートワークが身近になり、社員が求める働き方は変化していると考えられる。企業には、出社とリモートワークの良さを組み合わせた「ハイブリッドワーク」を検討するなど、企業風土と社員の双方のバランスを取る、柔軟性を持った対応が求められるだろう。

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