ヒューマングローバルタレント株式会社は2022年11月10日、グローバル人材を対象に実施した「スタートアップへの就労意欲」に関する調査の結果を発表した。調査期間は2022年9月1日~13日で、同社の運営するサイトに登録する日本人185名と外国人172名の計357名から回答を得た。これにより、グローバル人材がスタートアップ企業に持つ「就労イメージ」や「勤務経験の実態」などが明らかとなった。
“スタートアップ企業での就労”に7割のグローバル人材が好意的な構え。「現職より給料が下がっても働いてみたい」との声も

グローバル人材の4人に3人が「スタートアップ企業」をポジティブに捉えている

政府は2022年8月に「スタートアップ担当大臣」を新設し、2022年を「スタートアップ創出元年」とした。今後5年でスタートアップ(社数)を10倍に増やす「スタートアップ育成5カ年計画」を策定。海外と比べると日本国内でのスタートアップはいまだ発展途上だが、グローバルでも活躍する人材は、スタートアップ企業をどう見ているのだろうか?

まずヒューマングローバルタレントが、「スタートアップで働くことについてどのようなイメージを持つか」と尋ねた。すると、「非常にポジティブ」が35%、「ポジティブ」が39%で計74%となり、7割以上がポジティブなイメージを持っていた。
スタートアップで働くことについてどのようなイメージを持っているか

スタートアップは「自分の能力を発揮しやすい環境である」と感じている

先の質問で「ポジティブ」、「非常にポジティブ」と答えた人に対し、「なぜそう思うか」を同社が尋ねたところ、トップは「急成長中の業界で新しいプロジェクトに取り組めるため」で18%が回答。以下、「自分のアイデアを活かして、自分の仕事に責任を持って取り組めるため」が16%、「自分のスキルを活かせるため」が15%と続いた。多くのグローバル人材は、スタートアップが「自身の能力を発揮しやすい場所」だと感じているようだ。

一方で、「給料が高いため」と「有給休暇や福利厚生などの労働条件が魅力的なため」は、ともに4%と低い結果だった。
スタートアップに対しポジティブなイメージを持つ理由

ネガティブイメージはスタートアップゆえの「不安定さ」が要因

また、「ネガティブ」、「非常にネガティブ」と答えた人にも「その理由」を聞くと、「ワークライフバランスが取りづらい(長時間労働)」が15%で最多だった。以下、「将来の不確実性」と「低い給料」がともに14%、「組織作りの未熟性」が13%と続いた。ワークライフバランスや将来性、組織体制などが「不安定である」と感じているようだ。
スタートアップに対しネガティブなイメージを持つ理由

3割が「実際にスタートアップでの就業経験」あり

次に同社は、「現在就業中の会社はスタートアップ企業かどうか」を尋ねた。その結果、「はい」が17%、「いいえ」が69%で、2割弱が現在スタートアップ企業で働いていることがわかった。また、「現在は就労中ではないが、これまでにスタートアップで働いた経験がある」との回答者は13%だった。
現在就業中の会社はスタートアップか

スタートアップでの就業経験がない人も、約9割が「今後働いてみたい」と答える

続いて、「スタートアップでの勤務は未経験」と回答した人に、同社は「今後、スタートアップで働いてみたいと思うか」と尋ねると、「はい」が87%と大多数を占めた。この結果から、現時点でスタートアップでの勤務経験がある人は少数派となっていたが、就労意欲を持っている人は多いことが見て取れる。
今後スタートアップで働いてみたいと思うか

5割強が「現職の給料より下がっても働いてみたい」と回答

最後に、「スタートアップで働いてみたい」と回答した人に対し、「スタートアップが、あなたの希望する仕事を提供できる場合、現在の給料より低くても入社を検討するか」と質問した。その結果、「はい」が55%、「いいえ」が45%となった。グローバル人材の半数以上は、給料よりも「希望する仕事」を重視したい意向がうかがえる。
スタートアップが自分の希望する仕事を提供できる場合、現職より給料が低くても入社を検討するか
本調査からは、グローバル人材の多くがスタートアップで働くことに好意的な考えであることがわかった。一方、給与面や組織体制への不安定さからネガティブなイメージを持つ層もいるようだ。グローバル人材を獲得する上で、スタートアップ企業にも大いに有意性があることがうかがえる結果となった。

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