エン・ジャパン株式会社は2022年12月6日、「冬ボーナスの納得度」に関する調査の結果を発表した。調査期間は2022年10月27日~11月27日で、同社の運営するサイトの利用者1万2,038名から回答を得た。これにより、2022年の冬のボーナスの支給額の評価に対する納得度とその理由などが明らかとなった。
冬ボーナス支給額に「納得していない」との回答が半数に迫る。評価方法の“明確さ”や“適正さ”が納得度に影響か

ボーナス支給額の評価に「納得している」のは3割以下。年代によって納得度の差も

2022年の冬季ボーナスが支給予定または支給済みの人々は、支給額の評価に対して納得しているのだろうか。まず、エン・ジャパンが同年冬のボーナスについて「支給される予定」と回答した人(全体の37%)に対し、「支給額の評価に対する納得度」を聞いた。すると、全体では「納得している」の合計は26%(納得している:10%、やや納得している:16%)と3割以下だった。他方で、「納得していない」の合計は48%(あまり納得していない:27%、納得していない:21%)で、半数に迫った。

回答を年代別にみると、「納得している」または「やや納得している」と回答した人は、20代が32%、30代と40代以上がともに21%だった。支給額の評価に対する納得度については、20代よりも30代以上の人々のほうが低い傾向にあることがわかった。
支給額の評価に対する納得度

“支給額決定に影響している評価”のトップは「業績評価」

次に、同社が「ボーナス支給額の決定に最も影響がある評価」について質問すると、「業績評価」が44%で最多だった。以下、「年功評価」が21%、「能力評価」が17%と続いた。

「その他」の自由回答には、「面談もなく、評価がわかるような仕組みがないためわからない」や「一律支給で評価関係なし」、「能力や業績などが影響しているようだが、あまり実感がない」といった声が寄せられた。「年功評価」に加え、個人の努力では変えられない方法で支給額が決定しているケースがあることもうかがえる。
ボーナス支給額決定に最も影響がある評価

ボーナス支給額に「納得している」理由は「支給額の決定方法が明確なため」が最多

続いて、先の質問でボーナス支給額の評価について「納得している」または「やや納得している」と回答した人に対し、「その理由」を同社が尋ねた。その結果、「ボーナス支給の決定方法が明確なため」が42%、「会社の業績に見合っているため」が32%、「自身の成果が適正に評価されているため」が20%となった。

具体的なエピソードとしては、以下のような回答があったという。

・ボーナスを支給する前に査定基準が全員に掲示板で発表される。(46歳女性)
・会社の業績説明もあるため納得できる。(30歳男性)
・半年ごとにラダーに沿って評価してもらっており、数値化されている。(48歳女性)
ボーナス支給額に対して「納得している」理由

「納得していない」理由は「自身の成果が適切に評価されていないため」が4割

一方で、「あまり納得していない」または「納得していない」と回答した人に対し、「その理由」を聞くと、「自身の成果が適正に評価されていないため」が40%で最多だった。以下、「ボーナス支給額の決定方法が不明確なため」が37%、「公平に評価されていないため(評価者によってばらつきがある)」と「評価結果の説明が不十分なため」がともに30%となった。

具体的なエピソードとしては、下記のような意見が寄せられたという。

・評価基準が明確でなく、営業による売上から算出されるため、自分の頑張りがボーナスに反映されることはない。(32歳女性)
・育児時短勤務だからという理由でマイナス評価になる社風。時短勤務でも通常勤務者と同じ目標売上をクリアするなどしても、マイナスに。(41歳女性)
・評価シートが曖昧で抽象的。直属の上司によって評価が全然違う。(38歳男性)
・支給額の算定方法は一応告知されるが、難解なため結局理解できない。(33歳女性)
ボーナス期休学の評価に「納得していない」理由
本調査より、2022年冬のボーナスが支給される(された)人の約半数は、支給額の評価に対して「納得していない」ことがわかった。従業員の理解を得るためには、「評価基準の明確化」や「支給額決定方法の明示」が有効となるのではないだろうか。

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