「ワンオペ育児体験」や「実態ヒアリング」などにより、育休取得のメリットを体感
パーソルキャリアでは、社員一人ひとりが考える「幸せ」の実現に向けた手段の一つとして、「男性社員の育休取得1ヵ月以上」を推奨している。同社が2021年10月に実施した「男性育休に関する意識調査」では、「将来、育休取得を希望する男性」は80%、「将来、パートナーの育休取得を希望する女性」は68.9%いることがわかっている。また、「パートナーに育休取得を希望する理由」で最も多かったのは、「育児をしてほしい/分担してほしい」で66%だったという。一方で、「配偶者(夫)が育休を取得する上で心配なこと」は、収入面の不安以外に、「配偶者(夫)の勤務先に迷惑を掛けるかもしれない」が35.6%と、精神面の不安を抱える声も多く聞かれた。また、男性が「育休を取得しなかった理由」では、「業務状況から取得が難しかった」が20.3%などとなった。
以上の調査結果から同社は、男性の育休取得が進まない要因として、「周囲の理解」や「職場環境」についての課題があり、その根本には管理職の働き方やマネジメントに関する問題があると考えたという。
そこで同社は、課題を解決し、男性の育休取得をさらに推進するため、「男性育休推進 ワーパパ体験プロジェクト」を、2022年1月31日〜2月14日まで実施することを決定した。本プロジェクトでは、「パパ管理職」と、育児経験のない「チャレンジ管理職」がオンラインで接続し、互いに育児中の家庭の“リアル”を体験する「オンラインワンオペ育児体験」や、育休取得の経験がある社員の率直な意見を聞く「ワーパパ・ワーママ社員実態ヒアリング」などを行うという。
なお、プロジェクトに参加する管理職は、実施期間である約2週間、通常業務を17時で切り上げる「時間制約のある働き方」を徹底する。これにより、「時間に対する焦りや苛立ち」、「やりたいのにできないジレンマ」などを体感することで、組織全体の働き方改善や仕事の仕組み化の必要性を理解し、自身の働き方やマネジメントを見直す機会につなげることを目指すという。
男性社員の育休取得率向上のためには、管理職をはじめとする企業全体が、育休取得者の意識を理解することが必要不可欠と考えられる。誰もが育休取得しやすい企業風土を構築するため、管理職自身が育休中の社員や家庭の状況を体験する機会を設けるなど、当事者への理解を深める施策を検討してみてはいかがだろうか。