約半数の企業で、冬季ボーナスが「支給されない」ことが明らかに
新型コロナウイルス感染症の流行により、経営に打撃を受ける企業も多い中、中小企業および零細企業の冬季ボーナス支給に影響はあるのだろうか。はじめに同社が、「2021年度の冬のボーナス支給状況」について聞くと、「支給されなかった/支給される予定はない」が最多の48.4%に。「支給されない理由」については、「会社の業績不振のため」が最も多かったようだ。
他方、「支給される予定だが、支給される金額は分からない」は30.2%、「まだ支給されていないが、支給される予定で支給額も把握している」は17%となり、支給予定者は合計で47.2%となった。
支給額のボリュームゾーンは「10万円~30万円未満」で、昨年より増加傾向か
続いて、冬季ボーナス支給者および金額を把握している支給予定者を対象に、「支給額」について尋ねている。その結果、最多が「20万円~30万円未満」で25.9%、次いで多かったのが「10万円~20万円未満」で18.5%となった。支給額のボリュームゾーンは、「10万円~30万円未満」のようだ。昨年度の調査では「10万円~20万円未満」が最多だったことと比べると、支給額は増加傾向になっていると考えられる。6割以上が今季のボーナス支給額に「おおむね納得している」
また、「支給額に対する評価」については、「納得している」が48.1%、「やや納得している」が18.5%で、合計66.6%がおおむね納得していることがわかった。新型コロナの影響が長期化して経済が停滞している状況を鑑み、今季の支給額に納得している従業員が多いことがうかがえる。来年度のボーナス支給については、4割以上が「見通しが立っていない」と回答
続いて、中小・零細企業の経営者に、「来年度のボーナスに対し、支給の見込みが立っているか」を尋ねている。すると、「立っていない」が最多の46.8%に。そのほか、「わからない」が35.5%、「立っている」が17.7%となった。経済状況の先行きの不透明さから、来年度の見通しが立っていない企業が多いことが判明した。ボーナス支給を見送る企業は多いものの、業績には明るい兆しも
さらに、経営者への「2021年度上期と下期での業績変化」についての質問に対しては、「年間を通して、業績が上がった」が21.5%、「上期は業績が下がったが、下期では業績が上がった」が7.6%と、上期から下期にかけて業績が上がった企業が29.1%となった。全体で見ると「業績が上がった」とする企業は約3割にとどまるが、本年度の夏のボーナス調査で「2020年度下期から2021年度上期にかけて業績が上がった」との回答が18.5%だったことと比較すると、10.6ポイント上昇しており、業績は回復傾向にあるようだ。