産学連携により、次世代エネルギーや気象データを活かした街づくりへ
気候変動問題を受けて、環境負荷の低い生活様式が求められている現代においては、都市機能の刷新が急務の課題となっている。そこで野村不動産HDは、2021年より野村不動産および野村不動産ビルディングと東日本旅客鉄道株式会社が共同で推進する、本プロジェクトを開始。オフィスやホテル、商業施設、住宅を含む街全体での「CO2排出量実質ゼロ」の実現を目指した、約10年間におよぶ大規模複合開発だ。今回の協定は、本プロジェクトの一環として、カーボンニュートラル技術拠点「次世代エネルギー交流施設」の整備を目指し、先進技術を持つ民間事業者である野村不動産HDと、学術機関である東大先端研が連携を結ぶもの。東大先端研がこれまで培ってきた次世代エネルギーに関する研究および開発実績を検証し実装するフィールドとして本プロジェクトを位置づけ、再生可能エネルギーや水素エネルギーなど最先端技術を積極的に導入することで、気候変動の緩和を目指していきたい考えだ。
また、東大先端研が気候変動や異常気象を読み解き共創社会の実現を推進する研究拠点である「ClimCORE」に、野村不動産HDが副プロジェクトリーダーとして参画。「ClimCORE」は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が推進する共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)として、2020年12月に採択された取り組みで、日本各地の気候変動の評価や、過去に発生した気象リスクの影響分析など、さまざまな気象情報を利活用できる場だ。「ClimCORE」による気象データを本プロジェクトに利活用することで、防災減災戦略の策定に向けた安全・安心な街づくりに貢献し、かつ気候変動の適応も目指したいという。