9割以上が「採用した人材が想定パフォーマンスを出せていない」と感じた経験あり
リファレンスチェックとは、求職者について前職の関係者など、第三者に身元照会する手続きである。外資系企業では一般的に行われており、日本企業でも幹部採用などの場合を中心に実施する企業が増えつつあるという。現在、企業での採用においてどのような利用実態があるのだろうか。はじめに「これまで採用した人材が、入社後に想定パフォーマンスを出せていないと感じたことはあるか」と尋ねた。すると、「非常にある」が39.1%、「少しある」が45.2%、「あまりない」が13.1%となった。「全くない」と回答した2.6%を除くと、97.4%の経営者が、「求職者の想定していたパフォーマンスを出せていない」と感じた経験があることがわかった。
8割が「採用者の経歴が詐称されていた経験がある」と回答
続いて「これまで採用した人材について、本人が申告した経歴と実際の経歴に違いがあり、詐称されていた経験はあるか」と尋ねた。その結果、「非常にある」が13.9%、「少しある」が32.2%、「あまりない」が35.6%という結果に。合わせて81.7%の経営者が、経歴詐称に遭遇した経験があるという実態が明らかとなった。過半数の企業で「リファレンスチェック(身元照会)」は行わず
次に、「求職者の経歴詐称を防ぐため、経歴のリファレンス照会を実施しているか」を尋ねた。すると「実施していない」が65.2%だったのに対し、「実施している」は34.8%に。6割以上が、採用時の経歴詐称の予防策としてリファレンス照会を実施していないことが判明した。リファレンスチェック利用者も「コストがかかる」と感じている
また、「リファレンスチェックを実施している」と回答した人に対し、「現在利用している、または過去に利用したことがあるリファレンス利用費は高いと感じるか」と尋ねた。その結果、「非常に感じる」が42.5%、「少し感じる」が47.5%となり、合計90%の経営者が、リファレンスチェック利用費を「高い」と感じていることが明らかとなった。採用時に重視するのは「職務経歴書から得られる情報」と7割が回答
さらに、「採用活動において職務経歴書から得られる情報を重視しているか」を尋ねた。すると「非常にする」が27.8%、「少しする」が46.1%となり、採用時に職務経歴書を重要視する経営者が73.9%にのぼることがわかった。現在はコストの高いリファレンスチェックを導入するよりも、求職者の職務経歴書を重視している企業が多数派のようだ。採用後のミスマッチを防ぐためにも、多角的な視点から「求職者側」と「企業側」の相互理解が得られるような採用方法を検討することが、ますます重要となるだろう。