瀬戸内のサステナビリティおよびウェルビーイング研究プロジェクトが始動
かねてより教育研究と社会実装に取り組む岡山大学では、「SDGsに関する岡山大学の行動指針」を策定し、推進本部の設置など、体制整備を通じてSDGsを推進してきた。その一環として、地域とともに社会課題解決に向けた取り組みを設計し、「SDGs推進研究大学」としてそのプロセスを世界に発信するとともに、実証にも取り組んでいる。また、地域や世界におけるステークホルダーと連携することで、経験や知見を持ち寄り、新たな価値を創出する「オープンイノベーション」にも積極的に関わっている。一方ベネッセは、企業理念「よく生きる」が「ウェルビーイング」と同義となることから、SDGsが目指す方向性や考えとグループの精神が根底で一致していると考えている。2018年度には、グループ全体で持続可能な社会実現に向けた施策を強化することを目的に、全常勤取締役が委員を務めるサステナビリティ推進委員会を設置し、グループが進むべき方向を示す「サステナビリティビジョン」も策定している。
そのような中、岡山大学とベネッセは、共に注力するSDGsを主軸とした学術的研究を、共同で実施することを決定。2020年度から向こう3年間で、瀬戸内の直島・犬島・豊島を中心とした地域を舞台に、「ウェルビーイング」に関する調査を行うという。
共同研究では、「直島メソッド」および、地球全体をステークホルダーとする「公益資本主義」の考えが、3島を中心とした地域および住民のウェルビーイングにもたらす変化を分析。また、そのメカニズムを学術的な成果としてまとめることで、ほかの地域・国にも応用できる地域発展のモデル化をはかるという。
新たな社会構築や資本主義への転換期にはSDGsが鍵になると言われるなか、共にSDGsを推進する大学と企業による研究は、これからの時代に必要なウェルビーイングを考える際にも有効なものとなるだろう。企業も組織の在り方ならびに自社の「ウェルビーイング」をどのように実践していくか、検討してみてはどうだろうか。