熱意を持って主体的に仕事ができる社員の増やし方

では、どうすれば「熱意ある社員」の割合を増やすことができるのでしょうか。いろいろな方法が考えられますが、まずはタイトルにあるとおり「得意なことから始めよう」が挙げられると思います。

私は、管理職やリーダー、中堅社員や若手社員などを対象に、数多くの社員研修をおこなってきました。その中で研修参加者の日常業務に関する「目標設定」や「課題設定」、そのための「実行計画」を、個人やチーム単位で考えてもらうカリキュラムを組むことがあります。

その際、目標達成や課題解決の方法を、必ず参加者自身に主体的に考えてもらうようにしています。その時、自分自身の得意なやり方で取り組もうとする人をよく見かけます。実際にその人が目標達成や課題解決を上手くできるかどうかは、やってみなければわかりません。しかし、自分の得意技で取り組もうとする人は、必ずといってよいほど熱意を持って実行しようとし、「やらされ感」は持ちません。

もちろん、この例は社員研修の中に限られた話かもしれませんが、自分の得意技で取り組むことで、少なからず「自ら熱意を持って主体的に仕事ができる」という経験をすることになります。私が「熱意ある社員」の割合を増やす方法のひとつとして提案する「得意なことから始めよう」の狙いは、ここにあります。

私が、会社や上司の方々に提案したいことは、この「得意なことから始めよう」を、実務でもやらせてみてはいかがでしょうか? ということです。もちろん、会社の方針や目標は共有しなければなりませんが、その取り組み方や手法は、ある程度許容できる範囲の中で、社員自身に主体的に考えさせて、実際にやらせてみてはいかがでしょうか。そうすることによって、彼らは「やらされ感」ではなく、熱意で業務に取り組もうとするはずです。

また、人は経験から学び、成長していくものです。自ら主体的に考えた方法を実行し、実際に取り組んだ結果が上手くいった時には、大きな自信を得られるでしょう。もし仮に、上手くいかなかったとしても、きっとその人は「あきらめ感」を持つのではなく、主体的に振り返りをおこない「次こそは失敗しないように」と改善方法を考えると思います。そのような経験と学習をすることが、自分自身の成長につながっていくのです。

ぜひ一度、この「得意なことから始めよう」を試してみてはいかがでしょうか。あなたの会社で、「やらされ感」や「あきらめ感」ではなく熱意を持って仕事に取り組む社員が増えるかもしれません。
原田昌志
株式会社J-work
社会保険労務士
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