最も人手が不足している部門・役割は「生産現場に携わる従業員」
少子高齢化などを背景に有効求人倍率が高水準となっている現在、多くの企業では慢性的な人手不足に陥っている。調査の中で「人手が不足している部門や役割はどこか」という問いに対し、「生産現場に携わる従業員」(57.2%)が最も高く、次いで「営業部門の従業員」(47.7%)、「高度な技術を持つ従業員」(37%)となった。人手不足によって需要増加への対応が困難になるなどの影響も出ていると言う。積極的に活用したい人材は「女性」と「シニア」
採用において売り手市場が続く中、限られた人材の確保に向けて企業間の競争が激化する一方で、求職者にとっては就業機会の拡大や賃金の上昇など良い変化も見られる。そのような中で「今後最も積極的に活用したい人材は」という問いに対し「シニア」が29.2%と最も高く、「女性」が27.9%と近い水準で続いた。「外国人」は13.7%、「障害者」は1.1%となった。即戦力となる人材を確保しながら、採用に多様性を生み出したいという企業側の意図が読み取れる。人手不足の解消に向けての取り組みは「賃金水準の引き上げ」がトップに
「人手不足の解消に向けて取り組んでいること」という問いに対して「賃金水準の引き上げ」が38.1%でトップとなった。企業規模別で分析したところ、特に「中小企業」で数値が高く、人材の確保や定着に向けた方法として賃上げが重要視されていることが読み取れる。他には「職場内コミュニケーションの活性化」(36.7%)、「残業などの時間外労働の削減」(35%)が続いた。人手不足の解消はそれぞれの企業で行うだけではなく、社会全体で取り組まなければならない問題だ。「社会全体が取り組むべきことは何か」と質問したところ、ハローワークなどの「職業紹介機能の強化・充実」が32.6%で最も高かった。次いで「働き方改革の推進」(29.7%)、「社会保障制度の見直し」(26.9%)、「労働市場の流動化」(26.8%)などが挙げられた。一方で「職種別採用の拡大」(9.9%)や「オファー型採用の拡大」(4.8%)といった、採用方法の多様化は1ケタ台にとどまる結果だった。