延べ5000社、15万人が受験している昇進・昇格試験
————企業向けの昇進・昇格試験サービスを、どのような経緯で提供されるようになったのですか。兼坂:私ども、日本経営協会総合研究所(通称:NOMA総研)は、アセスメントやサーベイなどを実施して人事に関わる数値データを企業各社に提供し、組織活性、人材教育のお手伝いを行っている会社です。採用アセスメントの領域で適性検査などを手がけてきた中で、お客様から「昇進・昇格試験は扱っていませんか?」というお問い合わせをいただくことが増えてきました。そこで、1990年代から昇進・昇格における論文審査や筆記試験の受託を行っていたのですが、お客様のニーズが拡大してきたことに対応して、2009年より専門の部門を立ち上げ、企業の昇進・昇格試験をサポートするツール、サービスの提供を本格的にスタートしました。
————これまでの実績について教えていただけますか。
吉川:2009年から現在までの数字ですと、企業数は実数で約1500社、延べ数にするとおそらく5000社ほどになります。受験者数は延べで約15万人強です。
マネジャーとしての資質を試験で測り、ミスマッチを減らす
————企業の昇進・昇格試験に関する課題は、最近、どのようなものになってきているのですか。吉川:よくお聞きするのは、マネジャーとしてのミスマッチの問題です。プレーヤーとしては優秀でも、マネジャーに登用すると、マネジメントが苦手であったり、あるいはマネジメントに軸足を置いていない人がいたりして、お困りだという話をよくうかがいます。マネジャーとして必要な資質、すなわち能力と適性を持っているかどうかを昇進・昇格試験で見極め、ミスマッチを減らしたいということは、業種、業界を問わず共通する課題だと思います。
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