パーソルキャリア株式会社は2024年11月18日、「ボーナス平均支給額の実態調査」の結果を発表した。調査期間は2024年8月5日~13日で、20歳~59歳の男女15,000人から回答を得ている。調査結果から、今年のボーナスの平均支給額や年代/職種による違い、支給額の増減などが明らかになった。
【2024年版】ボーナスの年間平均支給額は「106.7万円」、20代・30代で増加。“平均支給額が高い職種”の傾向は?

ボーナスの平均支給額は年間「106.7万円」。夏・冬それぞれ“50万円前後”に

企業に勤める社会人の誰もが気になっている、ボーナス支給額。自社の状況だけでなく他社も含めた平均額や、転職を考えている人にとっては応募を検討中の業種や職種の平均額なども気になるところだろう。実際にパーソルキャリアが15,000人を対象に実施した大規模調査から、2024年のボーナス事情が見えてきた。

社会人15,000人のうち、「ボーナスがある」と答えた人の1年間の平均支給額は「106.7万円」(男性121.9万円、女性77.7万円)だった。前回調査の「107.1万円」と比べると0.4万円ダウンしたほか、内訳としては冬が「50.4万円」で0.3万円ダウン、夏が「51万円」で0.2万円アップ、その他のボーナスは「5.3万円」で0.3万円ダウンとなり、前回とほぼ同様の水準になったという。
ボーナスの平均支給額は年間「106.7万円」。夏・冬それぞれ“50万円前後”に

年代別のボーナス平均支給額は、「20代」と「30代」で増加

次に、同社がボーナスの平均支給額について、20代~50代の各年代別に前回結果と比較したところ、20代と30代では増加した一方、40代と50代では減少した。中でも前回からの変化が大きい年代としては、20代の3.9万円アップ(2023年:70.9万円、2024年:74.8万円)、50代の5.6万円ダウン(2023年:129.5万円、2024年:123.9万円)だった。また、30代の平均支給額は前回の「99.3万円」から「100.3万円」となり、年間の平均ボーナスが100万円を超えている。

さらに、年間の平均支給額の内訳を見ると、冬のボーナスでは20代が「34.5万円」と前回より2.2万円アップ、30代は「46.6万円」で変化なし、40代は「52.6万円」と0.4万円ダウン、50代は「59.4万円」と3.1万円ダウンとなっていた。一方、夏のボーナスでは、20代が「36.1万円」と前回より2.5万円アップ、30代は「48.2万円」と1.2万円アップ、40代は「52.7万円」と0.5万円ダウン、50代は「59.1万円」と2.2万円ダウンとなっている。
年代別のボーナス平均支給額は、「20代」と「30代」で増加

ボーナスの年間支給額が「100万円以上」の人はおよそ半数に

続いて同社は、ボーナスの年間支給額について「100万円未満」と「100万円以上」の人の割合を調査した。すると、全体では「100万円以上」が48.5%と、前回調査より0.4pt高くなり、約半数を占めた。

年代別に見ると、年代が上がるにつれて「100万円以上」の割合が高くなり、最多は50代の54.9%だった。また、40代は50%、30代は47.7%と、いずれもほぼ半数を占めている。他方、20代では「100万円以上」の人は半数に満たないものの、前回の26.9%から33.8%と、大きく割合を高めた。
ボーナスの年間支給額が「100万円以上」の人はおよそ半数に

ボーナスの年間支給額、平均は「月収の2.6ヵ月分」

続いて、「2023年9月~2024年8月」の1年間に支給されたボーナスについて、「月収の何ヵ月分か」を調べた結果、全体の平均は「2.6ヵ月分」となった。年代別では、20代が「2.4ヵ月」、30代が「2.7ヵ月」、40代が「2.5ヵ月」、50代が「2.6ヵ月」と、年代による大きな差はなかった。
ボーナスの年間支給額、平均は「月収の2.6ヵ月分」

“ボーナスの平均支給額が高い職種”は「内部監査」で188.6万円

さらに同社は、「ボーナスの平均支給額が高い職種」についてランキング形式で示した。ランキング1位となったのは「内部監査」(188.6万円)で、前回調査での21位から大きく順位を上げ、金額も前回の135.2万円から53.4万円アップしている。

また、2位には、前回調査と同様に「法務/知的財産/特許」(177.7万円)がランクインし、7.4万円アップとなった。なお、同職種は2021年以降の4回の調査中、3度目の2位となったといい、安定して上位を維持している。さらに3位には、前回14位の「リサーチ/市場調査」(173.2万円)が、前回から28万円アップでランクイン。これにより、上位3位までを「企画/管理」に分類される職種が独占する結果となっている。

そのほか、6位の「経営企画/事業企画」(162万円)、および8位の「購買/資材調達」(154.9万円)が、それぞれ「企画/管理」からのランクインとなっている。なお、8位の「購買/資材調達」については、前回の22位(134.5万円)から大きく順位を上げたという。
“ボーナスの平均支給額が高い職種”は「内部監査」で188.6万円

「勤務先にボーナス制度がある」は約9割。「支給は年2回」が75.3%に

次に、「現在勤めている会社にボーナスの制度があるかどうか」を調査した結果、「ボーナスの制度がある」と回答した人は全体の87.8%だった。そのうち多数を占めたのは、「ボーナスの支給は年2回(冬・夏など)」との回答で、75.3%となった。

また、「ボーナスの支給は年3回以上」との回答は5.5%、「ボーナスの支給は年1回」は4.4%、「回数は決まっていない」は2.6%、「ボーナスの制度がない」は12.2%となっている。
「勤務先にボーナス制度がある」は約9割。「支給は年2回」が75.3%に

「ボーナスの支給額が増えた」とした人は38.9%で多数派

前問で「ボーナスの制度がある」と回答した人に対し、今回調査対象(2023年9月~2024年8月の1年間)のボーナスについて、「前回のボーナスに比べて支給額に変化はあったか?」と尋ねた。その結果、「増えた」が38.9%、「減った」が17.8%となり、「前回ボーナスより支給額が増えた」とする人が多数派となった。

なお、「増えた」とした人は前回の34%から4.9ポイント増加し、反対に「減った」とした人は前回の20.7%から2.9ポイント減少している。
「ボーナスの支給額が増えた」とした人は38.9%で多数派

今冬のボーナス支給日は「12月1~15日」が最多

最後に、「ボーナスの支給日」について同社が調査した結果、冬のボーナスについては「12月1~15日」が61.2%で最多となった。一方、夏のボーナスについては「7月1~15日」が32.7%で最多となっている。月単位で見ると、冬のボーナスは「12月1~31日に支給された」とした人が全体の84.3%を占めた。また、夏のボーナスについては「6月1~30日に支給された」とする人(44.3%)の方が、「7月1~31日に支給された」とする人(43.4%)より多かった。
今冬のボーナス支給日は「12月1~15日」が最多
本調査から、今年のボーナスの平均支給額は年間「106.7万円」で、特に「20代」と「30代」で増加傾向にあることがわかった。また、“ボーナスの平均支給額が高い職種”は「内部監査」、次いで「法務/知的財産/特許」と、「企画/管理」に分類される職種が上位を占めている実態がうかがえた。多くの企業で賃上げの必要性が問われる中、従業員にとってはボーナスの支給額も自分の勤務先や転職先を判断する重要な要素となる。こうした大規模調査で明らかになった実態を参考に、自社でもボーナス支給の内容を見つめ直してみてはいかがだろうか。

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