そこで良く起こる問題が、「岡野さんが、インフルエンザになって1週間お休み」といった事態です。仕事が属人化してしまっているチームは、誰かが突然1週間休むなどと言った状況は、もはや事故が起こったに等しい状況です。他のメンバーは、その人の仕事についてほとんど知らないので、現場から問い合わせがあっても、取引先から連絡があっても、何も対応できないのです・・・。
そして、多くの企業で「仕事が属人化している」という問題が出る以上、このような状況は珍しくありません。
もちろん、このようなチームは非常にもろい、「弱いチーム」と言わざるを得ません。
では、どうやって属人的な「弱いチーム」から抜け出すのか?
① サブ担当をつくり、仕事をシェアする
多くの企業で行われているのが、その業務の主担当とサブ担当をつくるということです。基本的には主担当が業務を行いますが、サブ担当も必ず一部の業務を請け負い、その業務の流れを理解します。もちろん、主担当も他の業務についてはサブ担当になります。
主担当の業務70%、サブ担当の業務30%くらいの割合で仕事をシェアし合うことが理想です。これで、主担当が突然休んでも、その仕事は確実に回ります。また、副次的効果としては同じ業務を2名以上で行うことから、コミュニケーションが活性化し、メンバー同士の関係性が深まります。
② 思い切って仕事をシャッフルする
先程の①よりも、荒っぽい方法ですが、1~2年に1度、完全に仕事の担当を入れ替えてしまうというやり方です。相当思い切ったやり方ですが、実施している企業はあります。引継ぎや、業務を始めたばかりの頃は大変ですが、「前担当」が同じ職場にいますのですぐに聴くことができます。また、万が一誰かが休んでも、「前担当」がフォローすることができます。
数年たって、担当をいくつか経験すると、そのチーム全員が「どの業務でもできる」状況になっています。副次的効果としては、ミーティングの際にお互いの業務に口出しができるので、改善が進むということです。また、「周りもこの業務を分かっている、という緊張感から、手が抜けなくなりますね。
③ チーム内コンシェルジュをつくる
これは、再雇用のスタッフなどで、様々な業務経験がある人がいる場合です。その人をコンシェルジュ(業務を限定せず、様々な動きをしてくれる人)として、忙しいところのヘルプをする係になってもらいます。もともと業務経験がある上に、様々な業務のヘルプをするので、その職場で「だいたい、どの業務も分かる人」になります。
ある日突然誰かが休んだり抜けたりしても、コンシェルジュが一定期間穴埋めしてくれますし、新たな担当者に引継ぎなども行ってくれます。
これらは一例ですが、弱いチームとして仕事が回らなくなる前に、何か手を打ちたいですね。
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