強いチームをつくるためには、私たち上司の配慮あるコミュニケーションが欠かせません。上司が小まめにコミュニケーションを取ることで、メンバーは「上司は私たちのことを考えてくれている」「チーム全体を見てくれている」と安心感を持ち、仕事に前向きになれるのです。

 そこで、私たち上司に求められるコミュニケーションを「はひふへほ」でまとめてみます。
【は:話しかける】
 チームを強くできない上司は、メンバーに自ら話しかけることが少ないようです。事務所の入り口から自分の机に一直線。机では、自分の仕事に没頭し、メンバーの様子には目もくれない・・・。そのような状況では、当然職場がギスギスしてしまいます。
 上司自ら「昨日の商談どうだった?」「風邪は良くなったか?」等と声をかけることで、職場全体に話しやすい雰囲気ができ、仕事のしやすい風土が醸成されます。時に、「お子さんは元気?」等、仕事以外のことを話しかけて人間対人間の関係も深めたいところです。

【ひ:平等に接する】
 私たち上司も人間ですから、メンバーとの相性もあります。正直言って、相性の良くないメンバーもいるわけです。だからといって、相性の良いメンバーばかりに話かけたり、仕事を頼んだりしていると、他のメンバーから不満が出てしまいます。ひどい上司ですと、同じメンバーとばかり飲みに行っているケースもあります。
 私たち上司は、できる限りメンバーに平等に接することが求められます。相性の良くないメンバーにも、意識的に話しかけたり、仕事を振ったりする必要があるのです。

【ふ:不満に耳を傾ける】
 不満の全くない職場というのはほとんどありません。メンバーは何かしらの不満を持っています。そのような不満を「文句言っている暇があったら、手を動かせ!」等と一括してしまうと、当然メンバーにはストレスが鬱積し、チーム全体の勢いがなくなります。
 時に、不満に耳を傾け良い意味での「吐き出し」を行うことが必要です。上司はカウンセラーの役割も果たさなくてはなりません。

【へ:返答は早めに行う】
 私たち上司は、メンバーから様々なことを頼まれます。頼まれごとに対して、早めに返答することが大切です。自分が忙しいからと言って、メンバーからの頼まれごとを後回しにし、なかなか返答しないとメンバーに不安感を与えてしまいます。時に、「私は上司から嫌われているのではないか・・・」といった誤解を生むことさえありませす。
 メンバーからの頼みごとに対する返答は、極力24時間以内に対処しましょう。

【ほ:ほめる】
 言うまでもなく、メンバーのことをほめることを忘れてはいけません。上司にほめられて嬉しくないメンバーはいません。しかし、先日ある企業様で行ったマネジャー研修で「ここ1ヶ月で部下をほめた人は挙手をしてください」と言ったところ、手を挙げたのは20人中3人でした・・・。
 上司自身が日々の仕事にプレッシャーを感じ、余裕をなくして、メンバーをほめることが出来なくなっている現実があります。ほとんどほめられないままに、一年を過ごしていたら、そのメンバーにとって仕事にやりがいはありますでしょうか?

 単純なようで難しい「はひふへほ」を実践し続けたいですね。
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