第13回 日本HRチャレンジ大賞『人材マネジメント部門優秀賞』
パーソルホールディングス株式会社
国内社員2.5万人を対象に募集部署が直接社員をスカウトする 「キャリアスカウト制度」
国内約2.5万人の社員を対象に、自社内にとどまらず、グループ内の他部署から直接スカウトを受けて異動することができる『キャリアスカウト制度』を導入。社員が自身のスキルや経歴、今後のキャリア展望などのプロフィールを登録し、他部署からスカウトを受け取る仕組み。自律的キャリア形成の後押しや、マッチング率向上、情報の非対称性解消など、採用プロセスの変革と人材活用、キャリア形成手段の革新をもたらす優れた取り組みであると高く評価されました。プロフィール
大場 竜佳 氏
パーソルホールディングス株式会社
グループ人事本部 本部長
2003年に大手生命保険会社に入社し、その後インテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社。人事企画、人材開発、労務労政など各領域を担当。2016年パーソルホールディングスに異動・転籍。人事企画領域を担当しグループ横断の人事施策を立案・推進。2020年4月より人事本部長に就任。
山崎 涼子 氏
パーソルホールディングス株式会社
グループ人事本部 人事企画部 部長
2008年にインテリジェンス(現パーソルキャリア)に新卒で入社。入社から現在まで、一貫して人事領域を担当。2015年4月に人事情報室を立ち上げ、人事におけるIT・データ活用を開始。2018年4月~タレントマネジメント室を新設、2020年4月~人事企画部を管掌し、グループ全体の人事施策の推進に従事している。
社員のキャリアの選択肢を広げるべく、新たに始まった「キャリアスカウト制度」
――まずは今回受賞されました「キャリアスカウト制度」の概要について、教えていただけますでしょうか。山崎氏:パーソルグループの国内社員2.5万人を対象に、人材を募集する部署が直接社員をスカウトする制度です。グループ内企業30社以上が参画し、2023年10月にスタートしました。具体的には、部長階層までの社員が、独自の社内システムに自身のスキルや経歴、キャリア展望などを登録すると、グループ内の他部署からスカウトを受け取ることができます。そこから、社員とスカウトした部署がコミュニケーションをとり、社員が応募するかどうかを決めます。応募する場合は各ポジションの選考フローに入り、面接を受けて合格すれば異動を選択できるという制度です。
――取り組みを開始したきっかけが非常に気になります。
山崎氏:パーソルグループは、「自分のはたらくは、自分で決める。」というキャリアオーナーシップの考え方を掲げ、社員が自分自身のキャリアを主体的に選び築いていくことを大切にしています。社員にとってキャリア行動を後押しする仕組みはできるだけ豊富に取り揃えておいた方がいいと考え、これまでもグループ内で多様なキャリア開発支援の施策を展開してきました。グループ間異動を実現するものでは、「キャリアチャレンジ」という公募型異動制度を実施しています。これに加えて、ダイレクトリクルーティング型の制度を設ければ、さらにキャリアの選択肢が増えるはずだと考え、導入することにしたのです。
――独自の社内システムというのは、どのようなものなのですか。
山崎氏:「CareerMill(キャリアミル)」というキャリアオーナーシップ支援プラットフォームです。これは2021年に開発したもので、社員はここに入力したキャリア情報をもとに、キャリアチャレンジやグループ内複業、研修といったキャリアオーナーシップを醸成する施策に応募・参加することができます。今回のキャリアスカウト制度も、このプラットフォームを活用して運用できるようにしました。
――自分のキャリア情報をどう登録していいのか迷った社員を支援する仕組みは設けているのでしょうか。
山崎氏:グループ全社員向けに、「キャリア相談窓口」を設けています。これはキャリアコンサルタントの資格を持つ人事の社員が相談に乗っています。グループ内企業が独自でこの相談窓口を設けていることもあります。今回のキャリアスカウト制度に限らず、「キャリアチャレンジ」を利用する際や、社員それぞれのキャリアの節目などに窓口に相談をして、キャリアの棚卸しをするなど、活用されています。
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