人財育成にもより注力する同社は、管理職候補の能力開発を目的に「M4プログラム」という育成プログラムをスタートしました。今年3期目を迎えたM4プログラムは、どのような背景でスタートし、どんな内容で能力開発を行うものなのでしょうか。プログラムの支援を行う株式会社マネジメントサービスセンター チーフコンサルタント 田上 あやの氏が、パイオニア株式会社 人財企画課 課長 大久保 智代 氏にお話しを聞きました。(以下敬称略)
プロフィール
大久保 智代氏
早稲田大学商学部を卒業後、パイオニア株式会社に入社。ホームAV機器の国内営業として家電量販店へのルート営業・法人営業・新規開拓営業等を経験。2児の産育休を経て販売会社の人事総務へとキャリアチェンジ。2015年より本社人事にて全社教育を担当し管理職昇格。現在は、採用・教育・社会貢献に従事するチームをマネジメントしている。
パイオニア株式会社 人事総務本部 人事総務グループ 人事企画部 人財企画課 課長
田上 あやの
北海道大学卒業後、外資系製薬会社に勤務。前職では、医薬情報担当者(MR)、営業力強化支援、マネジメント職を経験し、戦略立案・人材育成など組織運営に従事。MSCでは、主にヒューマンアセスメント・トレーニングを担当。企業が求める人材像を理解し、人の強みや能力の幅を広げることで、各企業の課題解決に繋がる人材育成のサポートに情熱を注いでいる。MBA修了。Hogan Assessment 認定資格者。
株式会社マネジメントサービスセンター チーフコンサルタント
モノづくり企業から、モノ×コトのソリューションサービス企業へ
田上 今回はパイオニア様の人財育成の取り組みの中で、特に管理職登用前に行われている「M4プログラム」について、伺っていきたいと思います。まず大前提として、パイオニア様の経営戦略と人財育成の考え方についてですが、2019年以降のビジネス戦略にどのような変化があったのでしょうか。そして2019年に非上場化し、大胆な構造改革をしながら経営再建を進めてきました。カーナビゲーションで蓄積された膨大なプローブデータの有効活用や、独自のプラットフォーム開発に可能性を見出しました。そこに創業より培った「モノづくり」の強みを掛け合わせ、「モノ×コト」のソリューションサービス企業への転換を図っているのが、ここ数年の大きな変化です。
田上 「モノづくり」から「モノ×コト」へ、改革を進められているのですね。ビジネス戦略がかわると、人への投資も変わってきたのではないでしょうか。
大久保 そうですね。ここ数年は、ソリューションサービス企業になるために、サービスの開発やリード、管理、営業等ができる人財を多く採用してきています。組織としては、モノづくり人財に加えて、スタートアップやIT企業などからSaaSやMaaS関連の人財が加わり、従業員も多様化してきていますね。
社員の自律的なキャリア形成を支援する人財育成制度
田上 ビジネス戦略を大きく変える中で、人財育成施策としては、どのような取り組みが必要だと考えていたのですか?田上 制度面では、どのような変化があるのでしょうか。
大久保 従来の年功的要素が残る職能等級制度から、年功を排除した役割等級制度に変更しました。そして、評価に応じて報酬が大きく変動するような賃金体系も構築しました。それにより・・・
協力:株式会社マネジメントサービスセンター
この後、下記のトピックが続きます。
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●従来のやり方を刷新・撤廃~自律的なキャリア形成のために取り組んだこと
●管理職にとって必要なスキルを身に着ける育成プログラムの中身とは?
●管理職候補者だけでなく、上司にも波及される育成プログラムの効果
●管理職候補の育成を進めるなかで感じる大きな変化
●パイオニアが目指す次なるステップ~今後の人財育成施策の展望
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