今の時代、上司に提案ができないメンバーは、責任を果たしていないとまで言い切っています。
しかし、私は研修でこうも言っています、「上司に提案しても、最初は大体断られる」と。皆さんも、部下から提案が会った際に断った経験があるはずです。もちろん、私も数多く断りました。
なぜ断るか?大方の理由は「具体的ではない」からです。具体的ではないので、要するに何をしたいか分かりませんし、成功するように思えないのです。メンバークラスの研修では「すぐに実行できるくらい具体的に仕上げて、上司に提案せよ」と言いますが、チームの最終責任を負っていないメンバークラスの「具体的」と、チームの最終責任を負っている我々上司の「具体的」では通常レベルが違います。
そこで、メンバーから抽象的な提案が出てきたら、堂々と「これは無理」「ちょっと難しい」と堂々と断ってください。安易に受け入れて、私たちが提案を補完して完成形にして実行してあげては過保護すぎます。メンバーの成長につながりません。
ただし、「No!」と断って、それだけではメンバーは落ち込むだけで次の行動を起こさない可能性があります。
それどころか、「うちの上司は物分りが悪い・・・」等と、居酒屋でグチってモチベーションを下げる羽目になるかもしれません。
断った際には、どこが理解できないか、どの点を補完すれば納得できるかなど、断った理由を細かく伝えてあげることです。そして、「そこが解消されたら、もう一度見る。ただし、解消されなかったらまた断る」旨を告げてください。
その後、その件について提案してこなかった場合は、メンバーは本気ではなかったのです。本気ではないものを実施しても、後で頓挫するだけです。
ただ、もう一度提案してきた場合は、1回目以上に熱心に提案内容を聞いてあげてください。もう一度持ってくるということは、「何としても実施したい」と考えているからこそです。
1回目の指摘した内容が改まっていた場合は、「本気かどうか」を確かめましょう。
「これって、もちろん○○さんが、中心にやるんだよね」と。
そこで、「はい」「もちろんです」等と即答の場合は、その場でOKを出してよいと思います。一方、「え・・あ、はい」など、少し間が空いたり、「いえ、△△さんにリーダー頼もうかと思ってます」など、結局「自分でやる」ことから逃げているようでしたら、もう一度つき返して下さい。
通常、2回つき返されて、3回目に持ってきた場合は、「私がやる」と肚が固まっている状態がほとんどです。
もちろん、改善提案はアイデアだけでもありがたいのですが、せっかくやるのであればメンバーの自主性、リーダーシップを育てる機会にしたいですね。
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