モノづくりの時代から、インターネット化によるサービスづくりの時代へと変化する中で、「フラットなチームづくり」が求められている。そのために、マネジメントやリーダーシップは、どう変わっていけばいいのか。誰にでもできるマネジメントの極意について、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部長、LINEヤフーアカデミア学長の伊藤羊一氏が解説する。
フラットな組織が求められる時代に、どのような「マネジメント」と「リーダーシップ」が必要なのか
伊藤 羊一 氏
講師:

武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 学部長/Musashino Valley 代表/ LINEヤフーアカデミア 学長/Voicyパーソナリティ 伊藤 羊一 氏

アントレプレナーシップを抱き、世界をより良いものにするために活動する次世代リーダーを育成するスペシャリスト。2021年に武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(武蔵野EMC)を開設し学部長に就任。2023年6月にスタートアップスタジオ「Musashino Valley」をオープン。「次のステップ」に踏み出そうとするすべての人を支援する。また、LINEヤフーアカデミア学長として次世代リーダー開発を行う。東京大学経済学部卒。1990年日本興業銀行入行。2003年プラスに転じ、ジョインテックスカンパニーにて執行役員マーケティング本部長、ヴァイスプレジデントを歴任、経営と新規事業開発に携わったのち、2015年よりヤフー。代表作「1分で話せ」は60万部のベストセラーに。その他「1行書くだけ日記」「FREE,FLAT,FUN」「『僕たちのチーム』のつくりかた」など。
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分岐点は、1995年の「インターネット元年」

本日は、フラットなチームをつくるために、チームをどうマネジメントしていくのか、どうリーダーシップを発揮していくのか、この2つの観点でお話しいたします。

まず、今なぜフラットなマネジメントが求められているかというと、社会が変化してきているからです。マネジメントスタイルというのは、だいたい先輩上司から後輩に伝授されていくもので、なかなか変わりません。しかし、社会が変化している中、その変化に対応することが必要です。

では、どのような変化が訪れているのでしょうか。まず1980年頃からのGDP推移をみてみると、アメリカはこの40年右肩上がりで成長を続け、世界1位をキープしています。そして中国は、2005年頃から急速に成長し、あっという間に世界2位に躍り出ました。

一方、日本は1980年代、“ジャパンアズナンバーワン”といわれるほどの経済大国であり、1990年代半ばまではGDPもアメリカの成長率と同じくらいの勢いで伸び続けていました。しかし、1995年以降はほぼ横ばいになり、「失われた30年」の時代に突入してしまいました。今ではアメリカと中国に大差をつけられての世界3位となっています。

では、1995年とはどういう年だったのでしょうか。それは「Windows95」が発売された年、つまりインターネット元年です。モノづくりが強い日本はインターネットの隆盛に伴い、1995年以降はまるで別の国のように勢いを喪失していきました。そしてYahoo、Amazon、Netflix、Google、YouTube、Twitter、Facebook……革新的な企業が多数アメリカで誕生しましたが、日本ではごく少数でした。アメリカとの違いは、アントレプレナーシップの差だと私は考えます。
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