
「花粉症の有病率」は20代の7割。“若年層“ほど深刻な傾向に
環境省の「花粉症環境保健マニュアル2022(2022年3月改訂版)」によると、全国調査における花粉症の有病率は1998年が19.6%、2008年が29.8%、2019年には42.5%と、10年ごとにおよそ10%増加しているという。花粉症は「アレルギー疾患対策基本法(平成26年法律第98号)」においてアレルギー疾患の1つに定められており、厚生労働省でも予防行動に関する普及啓発を呼びかけている。今回、株式会社マイナビが発表した調査結果によると、「花粉症である」と回答した人は全体の56.3%となった。この値を年代別に見ると、「20代」が68.1%、「30代」が59.6%、「40代」が51.3%、「50代」が49.9%となり、特に20代では約7割と高い割合を示した。


「仕事に支障が出る」は6割。“生産性低下”が顕著に
さらに、同社が「花粉症が仕事に与える影響」についても聞いたところ、「業務に支障が出る」と回答したのは、“花粉症である”とした正社員の約6割(59.7%)となった。また、7割以上が「花粉症で仕事の生産性が下がる」(71.1%)と回答。特に20代では「生産性が下がる」と答えた人が78.1%と、他の年代より高い割合を示したことから、花粉症が若手社員のパフォーマンスに大きな影響を与えていることがわかった。
なお、「花粉症によって、どのような業務に支障が出ているか」を自由回答で具体的に聞いたところ、“デスクワーク”や“コミュニケーションをとる業務”が目立って多くなったという。集中力や注意力が求められる業務ほど影響が大きいことが伺える。

「企業が行う花粉症対策」と「従業員が求める花粉症対策」にギャップ
次に、企業側を対象に「花粉症対策の実施割合と実施内容」を調査したところ、「花粉症対策を実施している」と回答した企業は全体の57.5%と6割未満にとどまった。具体的な対策内容としては、トップが「空気清浄機の設置など空調の整備」(53.1%)で、オフィス環境の整備が対策の中心となっていた。


「健康経営」の一環とも言える花粉症対策は、企業の生産性向上にも繋がるだろう。オフィス環境の改善だけでなく、例えば“柔軟な働き方”の観点で、通勤時の花粉曝露の軽減のためのリモートワーク容認といった対策も有効かもしれない。従業員の負担を軽減し、生産性向上に繋げることができる新たな対策がないか、いまいちど検討してみてはいかがだろうか。
出典:https://www.mynavi.jp/news/2025/02/post_46524.html
参考:花粉症環境保健マニュアル2022(2022年3月改訂版)―環境省(PDF)