商売のゴールは「長期利益の獲得」
今日は僕なりの「人的資本経営」に対する考えをお話しします。僕は競争戦略の分野で仕事をしており、まずは経営者の視点から人的資本経営とどう向き合うべきかということで『逆・タイムマシン経営論』を出版しました。ソフトバンクの孫正義さんが、「タイムマシン経営」を謳っていますが、僕が考えたのは、この「タイムマシン経営」の論理を反転させたらどうなるか。その結果、気付いたのが「同時代性の罠」でした。旬の言説ほど、同時代のストレオタイプ的なノイズが強く入り込み、受け手にバイアスを掛けてしまい、意思決定における錯誤を引き起こしていたのです。この「同時代性の罠」を回避するには、当時のメディアの言説を振り返るのが良いです。なぜなら、時間の経過でしっかりと「デトックス」され、本質的な論理を考えさせられるからです。「同時代性の罠」の一つに「激動期トラップ」があります。それこそ、何かが起きると「今こそ激動期!」「戦後最大の危機」というフレーズを口にします。その理由は、人間社会だからというのが僕の答えです。安定はあり得ません。
- 1