人事プロフェッショナルのための研究雑誌『Works』の元編集長であり、人事業務に広い知見を持つThinkings株式会社 CHRO 佐藤邦彦氏が「人事の価値向上につながる」をテーマにした全3回にわたるコラム連載企画となります。
Thinkings のCHROに至るまでのキャリアと、HRのプレゼンス向上に向けて伝えたいこと

コンサルティングファームから、事業会社の人事を志すまで

はじめまして。Thinkings株式会社 執行役員 CHROの佐藤邦彦と申します。これまで、複数の事業会社で人事を経験し、そしてリクルートワークス研究所にて機関誌『Works』編集長を務めてきました。これまでの経験を活かして、人事の価値向上につながるコラムを連載していきます。今回は自己紹介も兼ねて、これまでのキャリアの変遷やターニングポイントについて、そして人事としてステップアップを目指している方々に伝えたいことについてお話ししたいと思います。

みなさんは就職活動をしている時、やりたいことや夢はありましたか?私は、特にやりたいこともなく、さまざまな業界を受けていました。ただ、いわゆる就活オタクで面接の勝率は高く、就職氷河期の中ありがたいことに内定も複数社からいただきました。その中で、さまざまな業界に関わることができそうなアンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社を決めました。私は浪人や留年をしていたので、年功序列色の強い日本企業よりも外資系の方が“遅れ”を挽回できる可能性が高いと考えたことも決断の決め手でした。
Thinkings のCHROに至るまでのキャリアと、HRのプレゼンス向上に向けて伝えたいこと
アンダーセンコンサルティングでは4年半、業務改善やシステム導入のプロジェクトに携わりました。その後、事業会社の人事にキャリアチェンジするわけですが、きっかけはちょっと後ろ向きでした。アンダーセンコンサルティングの人たちは、ものすごく優秀でした。でも、そんな優秀な人たちが、マネージャーになると本当に大変そうだったんです。なんとかついていくので精一杯だった私がマネージャーになったとしても、あの優秀な人たちと同じようにはできないと感じて、他に生きる道を模索し始めました。

いろいろ考える中で、優秀な人たちがすべてうまくいっているわけではないことに気がつきました。それは、人に関わる領域です。とても優秀な人たちからすると、器用にものごとを進められずつまずいてしまう理由がわからないんですよね。彼らは「なんで、もう少しうまくできないんだろう?」とギャップやストレスを感じがちです。

でも、このギャップは簡単には埋まらない難しいものであることを近くで見て感じていました。果たして自分に何ができるのか?まったく見えていませんでしたが、人や組織の領域であれば、なにか生きる道を見つけることができるかもしれないと思い、事業会社の人事を志しました。

この後、下記のトピックが続きます。
続きは、記事をダウンロードしてご覧ください。
●事業会社の人事として、キャリアを決定づけた2つの出会い
●人事は、きれいごとだけではない。「厄介事」が見えてきた40代
●一度現場を離れたからこそわかった、HRのポテンシャル
●ThinkingsのCHROとして自社の事業はもちろん、広く世の中に貢献する
●HRの仕事に前向きになれる人を、1人でも増やしたい


  • 1

この記事にリアクションをお願いします!