今回は日本生命保険で新卒採用全般に携わる宮澤遊馬氏と、株式会社グローアップで新卒向けダイレクトリクルーティングサービス『キミスカ』の事業部長を務める加藤佑基氏の対談を実施。学生に寄り添い、学生から支持される採用手法と、それがミスマッチを防止し、“納得感のある就職・採用”につながるという事実について語っていただきました。(以下:敬称略)
プロフィール
日本生命保険相互会社 人材開発部 採用担当課長
2007年入社。リーテイル(個人保険)部門の営業現場でイベント企画や業績管理などに携わった後、コンプライアンス部門、関連会社であるニッセイ情報テクノロジー株式会社に出向して働き方関連などの人事領域を経験し、20年4月より現職。
宮澤 遊馬 氏株式会社グローアップ 新卒事業部 事業部長
東京都市大学経営システム工学科卒。ニューラルネットワークを使った早期離職確率の予測モデルの研究を行う。
加藤 佑基 氏
2015年にグローアップへ入社。中途人材領域での営業を経験後、2016年より経営企画室及びマーケティングチームを立ち上げ、キミスカをはじめ中途人材領域や不動産領域に関するサービス推進を経験。全社のマーケティング及びサービス開発を統括後、『キミスカ』( https://kimisuka.com/company/ )の事業部長に就任。1学年当たり約15万人の就活生が使うサービスへと成長させ、2022年にタレントマネジメントシステム『タレントパレット』を運営するプラスアルファ・コンサルティンググループに参画。キミスカのサービスコンセプトである「偽らない就活」を実現すべく事業の成長を加速させている。
学生の意識・志向によって募集形態や発信するメッセージも変化する
加藤 御社の新卒採用では5つの職種を設定されていて、うち3つは働くエリアを限定した職種・採用になっています。こうした設定の背景について教えていただけますでしょうか。生命保険会社の業務は保険商品の販売だけにとどまらず、資産運用やお客様のデータ管理など広範囲に渡ることが特徴であり、各部門のスペシャリストを採用・育成しなければなりません。と同時に「何が自分に向いているのか、まだわからない」という学生も受け入れたいと考えていますし、地元で就職したいという希望もあります。それらのバランスを考えたうえでの職種となっています。
加藤 地元で働くことに対する学生の捉え方は、コロナ前後で若干変化したように思います。就職活動と採用活動がオンライン化されたことで、地方の学生にとっては都市部の企業に応募しやすくなり、都市部の企業も地方在住の学生にアプローチしやすい環境になりました。実際の働き方もリモートワークが主流となっています。実際に就職しているかどうかはともかく、応募の段階では「エリアにこだわらない」という学生も増えた実感がありますが、御社ではいかがでしょうか。
宮澤 弊社の場合、「地元に貢献したい」と語る学生もいれば、自身に馴染みのあるエリアでライフプランを立てたいという要望もあって、エリア限定職へのエントリーが少し増えている傾向にあります。また、コロナの影響もあってか、学生の考え方も多様化していると感じます。
宮澤 社会貢献に対する思いを志望動機としてあげる学生は、確かに多いと感じています。最初は電気・ガスや鉄道などインフラの分野で働くことによって世の中に貢献したいと考えていた学生が、次いで「金融も社会インフラなんだ」と気づき、銀行・証券、損保、そして生保まで見るようになる、というパターンもあるのではないでしょうか。
この後、下記のトピックが続きます。
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●日本生命が求める「3つの人物像」
●職員1000人態勢でのぞむOB・OG訪問の意義
●黙って待っているだけでは振り向いてもらえない
学生に対するアプローチ方法
●企業との接点が増えることで学生自身が変化
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