“説明会後の辞退”は7割以上。理由は「自分に合う企業ではなかった」が半数以上
少子化や労働人口の減少などの影響から、新卒採用は引き続き“売り手市場”となっている。1人の学生に複数企業から内定が出る状況が続いているため、必然的に選考辞退や内定辞退も増えている状況だ。採用側の企業が学生の選考辞退・内定辞退を防ぐためには、その要因を把握しておく必要があるだろう。はじめにインタツアーが、「志望企業の説明会に参加後、選考を辞退したことがあるか」を尋ねた。すると、73.4%の就活生が「辞退経験あり」と回答し、およそ4人に3人がエントリー前の時点で辞退経験があったという。
そこで、「説明会に参加後、選考を辞退した」とした回答者に「選考を辞退した理由」を聞いたところ、最も多かった回答は「自分に合う企業ではなかった」(58.5%)だった。説明会の段階で、半数以上の学生が企業とのフィット感を判断しているとわかった。また、次いで「情報収集目的で参加した」(31%)が続き、志望度にかかわらず“様子見”のため説明会に参加していることがうかがえる。また、「社員や社長・役員の印象が悪かった」も29.2%と多く、説明会で社員などの様子を細かく観察していることも見て取れた。
“1次選考後の辞退”は4割超。辞退理由は「働くイメージができなかった」がトップ
続いて、同社が「1次選考後、選考を辞退したことがあるか」を尋ねたところ、41.8%が「ある」と回答し、選考スタート後は辞退率が低下する傾向が見られたとのことだ。そこで、「1次選考後に辞退した」とした回答者にその理由を尋ねた。すると、「自分が働くイメージができなかった」(45.6%)が最も多く、選考スタート後は、その企業で働く具体的なイメージが掴めるかを重要視しているとわかった。また、「とりあえずエントリーしただけ」(24.1%)、「他の予定と選考の日程が被った」(21%)、「他の企業の練習だった」(17.9%)といった、志望度が高くない状況で取捨選択をしているケースも見られた。
“最終選考後の辞退”は約3割に。辞退理由は「志望度の高い企業から内定をもらった」
続いて同社が、「志望企業の最終選考後、選考を辞退したことがあるか」を聞いたところ、辞退した経験が「ある」との回答は3割弱の29.2%で、選考の初期と比較し、さらに辞退率が下がっていたという。
そこで、「最終選考後に辞退した」とした回答者に、その理由を尋ねた。すると、「志望度の高い企業から内定をもらった」(73.5%)が最多だった。志望度が高く、選考の進みが早い企業から内定をもらったことにより、辞退する傾向にあるとわかった。また、この段階では、“企業とのミスマッチ”という辞退理由については大きな減少が見られた。
“内定後の辞退”は半数を超える。「本命企業ではなかった」との理由が最多に
次に同社は、「志望企業の内定後、内定を辞退したことがあるか」を聞いた。すると、「ある」との回答は55.8%で半数を超えたという。“選考中”と“最終選考後”に低下していた辞退率が、内定獲得後に再び上昇しており、多くの就活生は、複数の内定を獲得したうえで、取捨選択を行っていることが示唆された。そこで、「内定後に辞退した」とした回答者に、その理由を尋ねたところ、「本命企業ではなかった」(54.2%)が最も多く、最終的に志望度が高い企業を選んでいることがわかった。また、辞退理由として「福利厚生」(27.3%)、「勤務地」(23.1%)、「キャリアアップ」(22.7%)に関する回答もそれぞれ2割を超えたことから、この段階では働くうえでの条件面を検討していることも明らかとなった。