チームは常に動的に変化し、生き物のように動く
本日は「チームワーク」の話をします。ぜひご自身の所属するチームを思い浮かべながら話を聞いてください。今、日本企業のチームはとても「しんどい」状況にいると想像されます。コロナ禍、国際紛争、円高などで先行きが不透明です。ある製造業の方は現状を「目隠しされて車に乗せられている」と表現しました。リモートワークが活発化し、お互いの様子も見えにくくなっています。「個業化の極み」とおっしゃる方もいます。総じて「遠心力」ばかりが増しているのが、日本の組織と言えるでしょう。なかなか一体感が持てず、気持ちも目線も外に向いてしまいがち。このため、マネジメントやリーダーに求められるのは「求心力」です。リーダーシップの発揮は当然に求められますが、その一方で、全員がチームを動かすスキルを学ぶのも大事ではないでしょうか。メンバー全員が能力を発揮してチームワークを育めば「強い」チームが生まれるはずです。どのようにすればチームワークを発揮できるのでしょうか。書店に足を運べば、さまざまなチームワークの教科書に出会えます。その多くは1970年代に提唱された「タックマンモデル」を土台にしています。形成期、混乱期、統一期、機能期とあたかもチームが一方向的に段階をもって理想像に向けて発達していくという考え方ですが、実はこれについてデータもエビデンスもありません。言ってみれば、幻想・イリュージョンです。実際には最初はメンバーのやる気もさまざまで、同じ方向を見て進み出すものの、経営層から急な指示が出たり、梯子を外されたり、次第に業務過多に陥って疲労困憊する、という流れでしょう。チームは一方向の右肩上がりにはまず発展しません。多くの場合は波を打つように良い状態と悪い状態を繰り返します。動的にダイナミックに変化すると捉えられるのです。
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