第10回 日本HRチャレンジ大賞『大賞』
ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ株式会社
ものづくり総合大学(企業内人材育成機関)の設立による「学習し続ける組織」の実現
「ものづくり総合大学」は、社員が能動的に学習し、ノウハウを蓄積しながら人間力と専門性を高め、真のプロフェッショナルとなることを趣旨に設立され、75講座を展開しており、徹底したスキルの棚卸と全社員対象のスキル調査を基にした講座展開であるとともに、講座の9割を内製化することで暗黙知であったスキル・技術を形式知化して伝承、現場のニーズを直接的に反映した人材育成を実現し、全社的に学び続ける組織の構築に繋げていることが総合的に優れた取り組みであると高く評価されました。プロフィール
長谷川 直司 氏
ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ株式会社
1982年入社。製造や技術、商品設計の課長、部長職を経て、2018年よりソニーのライフサイエンス・医療機器の生産に取り組む。2020年よりものづくり総合大学の学長として人材育成も担う。
ものづくり総合大学 学長/メディカルセンター センター長/湖西サイト サイト長
富士 明子 氏
ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ株式会社
1992年ソニー(株)入社後、採用、人材育成、組織開発などを経験。2019年7月より現職。ものづくり総合大学の運営、人材育成を担当。
人事総務部門 人事部 人材開発課 統括課長
「人間力強化」と「専門性強化」の2軸からなる教育体系
――まずは「ものづくり総合大学」の概要についてお聞かせください。長谷川氏:ものづくり総合大学は、人間力強化を目的とした「一般教養コース」と、企業の競争力の源泉といえる技術力、すなわち社員一人ひとりの専門性強化を目的とした「専門課程コース」の2つの柱で活動しています。「一般教養コース」は、全階層でキャリアに応じた必須研修を充実させながら、同時にグローバル人材や経営人材の育成も実施。一方の「専門課程コース」は、個々の技術・技能レベルに応じて、座学と実践を有機的に繋げたスキル講座を展開しています。ちなみに講座の9割は内製化しており、企画から講師の決定まで、すべてを現場主導で行っているのが特徴です。
富士氏:「一般教養コース」は、さらに4つのコースに分かれています。まず1つ目は、新人からマネージャーまで、階層ごとの役割を遂行するために必要な能力やスキルを習得する「階層別育成」。2つ目は、語学や体験を通じて、グローバルに活躍できる人材を育成する「グローバル人材養成」。3つ目は、課長級、部長級、グローバルリーダーなど、さまざまな切り口で次世代リーダーを育てる「ものづくり経営人材育成」。そして4つ目は、ダイバーシティの推進に必要な意識と行動変革を理解し、職場に浸透させる「ダイバーシティ」です。一方、「専門課程コース」に関しては、プロフェッショナルの育成を目指し、ものづくりに関連する技術、品質保証、調達など、領域別に必要なスキルを学んでいきます。
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