そもそも「優秀人材」とは何なのか?
新型コロナウイルスの影響により、どの企業も採用を縮小し始めています。一方で今後の日本の社会環境を考えると、会社には優秀な人材が引き続き必要です。そのため各企業では、本当に優秀な人材だけを採用する“厳選採用”の取り込みに力を入れ始めています。日本ではこれから生産年齢人口が減少するとともに、ITがさらに発展していきます。企業では60歳以上の社員がさらに増え、給与だけでなく社会保険料などの法定福利費も含めて、人件費がどんどん高騰していくでしょう。
そうなると企業の体力は持ちません。そこで、企業は優秀な人材を社内に残して、それ以外は人件費を抑制するためにIT化やアウトソーシング化しようと検討します。これからは優秀な人材をいかに確保するかが、企業の経営課題になるでしょう。
ところで「優秀な人材」とはなんとも曖昧な表現ではないでしょうか。いわれるとなんとなくイメージはありますが、意外とそれが人によってバラバラだったりします。特に日本には「できる人」という便利な言葉があります。みなさんの会社でも「あの人はできるよね」、「アイツできるな」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。実はこの「できる人」というイメージが会社によって全くことなるのです。
私は一時期、各社の「できる人」を調べるために、あえて面接を受けていた時期があります。50社ほど面接を受けさせていただき、「御社にとって“できる人”とはどんな人ですか?」と聞いてみました。各社で共通していたのは、「コミュニケーション力」、「協調性」、「基本的なビジネススキル」でした。いずれも、とても抽象的ではないでしょうか。
その中でも、きちんと「できる人」像を具体化していた会社では、「ファシリテーションがうまい人」、「教え方がうまい人」、「理念を理解して実践してくれる人」など、各社固有のスキルを持った人を「できる人」だとしていました。
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