優秀な人材が欲しい。最近の経営者や人事担当者であれば、誰もが思っていることではないでしょうか。近年はアウトソーシング業界やIT業界が発展し、付加価値の低い事務作業などは社員がやらなくてもいいようになってきています。だからこそ、これからの時代は本当に仕事ができる優秀な人材が欲しいのですよね。そこで今回は、優秀人材を採用するための「人材要件」と「採用方法」について、現場の視点からご紹介します。
「優秀人材」獲得への道~自社にとっての“できる人材”を明確に言語化できているか?【34】

そもそも「優秀人材」とは何なのか?

新型コロナウイルスの影響により、どの企業も採用を縮小し始めています。一方で今後の日本の社会環境を考えると、会社には優秀な人材が引き続き必要です。そのため各企業では、本当に優秀な人材だけを採用する“厳選採用”の取り込みに力を入れ始めています。

日本ではこれから生産年齢人口が減少するとともに、ITがさらに発展していきます。企業では60歳以上の社員がさらに増え、給与だけでなく社会保険料などの法定福利費も含めて、人件費がどんどん高騰していくでしょう。

そうなると企業の体力は持ちません。そこで、企業は優秀な人材を社内に残して、それ以外は人件費を抑制するためにIT化やアウトソーシング化しようと検討します。これからは優秀な人材をいかに確保するかが、企業の経営課題になるでしょう。

ところで「優秀な人材」とはなんとも曖昧な表現ではないでしょうか。いわれるとなんとなくイメージはありますが、意外とそれが人によってバラバラだったりします。特に日本には「できる人」という便利な言葉があります。みなさんの会社でも「あの人はできるよね」、「アイツできるな」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。実はこの「できる人」というイメージが会社によって全くことなるのです。

私は一時期、各社の「できる人」を調べるために、あえて面接を受けていた時期があります。50社ほど面接を受けさせていただき、「御社にとって“できる人”とはどんな人ですか?」と聞いてみました。各社で共通していたのは、「コミュニケーション力」、「協調性」、「基本的なビジネススキル」でした。いずれも、とても抽象的ではないでしょうか。

その中でも、きちんと「できる人」像を具体化していた会社では、「ファシリテーションがうまい人」、「教え方がうまい人」、「理念を理解して実践してくれる人」など、各社固有のスキルを持った人を「できる人」だとしていました。

「優秀人材」を定義する

  • 1
  • 2

この記事にリアクションをお願いします!