地方と首都圏の学生の就活における「情報格差」…。
一般的に地方の学生は首都圏の学生に比べて、情報量の少なさなどから就活において不利になると考えられていました。
しかし、株式会社サイバーエージェントなど名だたる企業が、地方の学生の採用に力を入れるなど、地方学生のポテンシャルについて企業側が注目する動きが広がりつつあります。
就職開始時期や志望業界は?20卒地方就活生の最新就活動向
地方の学生は実際にどのように就活を進めているのでしょうか。
日本全国に拠点を持つen-courageが、地方学生の就活動向を調査するべく、アンケートを実施しました。
今回は、学歴による就活動向の違いを明確にすべく、「地方旧帝大」と「地方国公立大」にそれぞれのデータを収集しました。

【2020卒学生アンケート詳細】
2020卒学生を対象にしたアンケート、全国の大学/大学院に通う2020年卒の学生を対象に、
2018年11月2日(金)~11月15日(木)にインターネットでアンケート調査を実施。有効回答件数は1,165件。うち地方旧帝大学*の学生は189名、地方国公立大学**の学生は215名。

*本調査において地方旧帝大に属するのは、北海道大学、東北大学、名古屋大学、大阪大学、九州大学です。
**上に同じく地方国公立大学に属するのは、千葉大学、福島大学、金沢大学、新潟大学、鹿児島大学など計39の全国の国公立大学です。

地方旧帝大生は、就活早期化傾向

就職開始時期や志望業界は?20卒地方就活生の最新就活動向
上のグラフは就活を開始した時期について質問した結果です。「就活開始」の基準はインターンシップの情報収集、イベントへの参加など、就活において具体的なアクションを起こした時期としました。

結果は、3月以前に就活を開始している学生の割合は地方旧帝大、地方国公立大とそれぞれほぼ同じですが、4-5月に開始する学生の割合は、地方旧帝大が30.69%と地方国公立大と比較して、およそ13ポイント高い結果となりました。6-7月に開始する地方旧帝大の学生の割合は36.51%とこちらも7ポイントほど高く、地方旧帝大の学生の方が就職活動を早期に開始していることがわかりました。

「まだ就職活動を開始していない」学生も地方国公立大は11.16%いることがわかりました。これは地方旧帝大に比べて9ポイントほど高い数字です。

インタビューからの学生の声を紹介します。

「4月のおわりに初めて就活イベントに参加したのが、就職活動の始まりだったと思います。先輩からのアドバイスを受けて参加したのですが、周りの友達も遅くとも6月頃には、就活を初めていたと思います。」(2019卒・北海道大学・男性)


早期に就活を始める意識は、地方旧帝大の学生の方がより醸成されているようです、

東京開催のサマーインターン 地方旧帝大生が積極的に参加

就職開始時期や志望業界は?20卒地方就活生の最新就活動向
2020卒の地方学生にインターンへの参加状況を訊きました。(上図参照)
サマーインターンに参加した学生は地方旧帝大が85.71%、地方国公立大が82.79%という結果となりました。インターン参加への意識はそこまで差がない結果となりました。
就職開始時期や志望業界は?20卒地方就活生の最新就活動向
同時に「東京で」開催されたインターンへの参加率を調査しました。(上図参照)

こちらは地方旧帝大は58.73%の学生が参加、地方国公立大は28.00%の学生が参加している
という結果になりました。

地方旧帝大の学生は、地方国公立大の学生の半分以上の割合で東京で開催するインターンに参加していることがわかります。

東京で開催されたインターンに参加した学生にその理由を尋ねたところ、以下のようなコメントがありました。

「東京で開催されたインターンは2社ほど参加しました。それぞれ3daysと5daysのインターンでした。志望している企業と業界のインターンだったので参加したのですが、地元では会えない優秀な学生と仲良くなり、今後の就職活動でも大きな財産となるような関係が作れました。」(2020卒・名古屋大学・男性)

インターン参加の基準 「日程の調整」「交通費の支給」が上位に

就職開始時期や志望業界は?20卒地方就活生の最新就活動向
インターンにエントリーを決める際の基準について質問をしました。(上図参照)

地方旧帝大、地方国公立大共にトップは「プログラムの内容」となりました。
次点の「日程の調整がしやすいもの」を選択した地方国公立大の学生は24.20%と地方旧帝大よりも約5%上回る結果となりました。
また「交通費の支給があるもの」に関しては、地方旧帝大は18.73%、地方国公立大は13.35%となりました。

地方の学生がインターンを考える際、日程と交通費がネックと考える学生が一定数いるようです。

実際の学生の声を聞いてみました。

「地方の学生なので東京のインターンに参加する際にはどうしてもお金がかかります。
一回の往復で4万円弱のお金がかかり、サマーインターンだけで2往復しました。宿泊費は友人にお願いしてなんとか出費は抑えたのですが…。これからも就活のたびに東京に何度か行くことになると思います。」(2020卒・金沢大学・女性)

IT /コンサル/商社が上位に 地方国公立大は人材業界に人気集まる

就職開始時期や志望業界は?20卒地方就活生の最新就活動向
11月時点で志望している業界を訊きました。志望している業界を3つまで選択してもらいました。(上図参照)
地方旧帝大についてはITが11.42%、コンサルが11.89%、商社が11.66%と人気TOP3の業界という結果になりました。また食品業界も10.49%でTOP3に続き人気を誇っていることわかります。

一方の地方国公立大は、ITが12.49%、商社が10.09%と、地方旧帝大と、TOP2まではあまり傾向が変わらないようです。
目立つ特徴としては、人材業界が12.16%とITに次いで人気の業界という点です。地方旧帝大と比較して、約7ポイント高い結果となりました。
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