近年の採用活動は、ますます激しくなる人材獲得競争の中でリアルタイムの対応を迫られると同時に、働き方改革の観点から、マンパワーを抑えながら採用の質を上げるという業務効率化も求められている。この難題に直面する採用担当者たちの注目を急速に集めているのが、従来は人力で行ってきた選考作業や採用関連業務の一部を肩代わりしてくれるテクノロジーだ。
株式会社ヒューマネージは、2017年7月、国内の人材サービス業界初となるAIエンジン搭載型の新卒採用向け採用管理システム「i-web AI」を、2018年7月には、同じく国内の人材サービス業界初となるオンライン型Web面接機能を搭載した新卒採用向け採用管理システム「i-web LIVE」をリリース。同社HCソリューション本部カスタマーサクセスグループ 部長・當間昭信氏とテクノロジーグループ 部長代理・河辺祐輔氏に、最新の新卒採用市場動向や、AI採用、Web面接といったテクノロジー活用の可能性についてお話を伺った。
AI採用、Web面接の本格的な広がりに向けて: 自社の採用活動で、HRテクノロジーを活用するには

AI採用が本格的にひろがる兆し。 20年卒では、4社に1社以上がAI活用に積極的

AI採用、Web面接の本格的な広がりに向けて: 自社の採用活動で、HRテクノロジーを活用するには
——19年卒の新卒採用活動シーズンが内定式を終え一段落しましたが、19シーズンにはどのような特徴がみられましたか?

當間:19シーズンの特徴として「予想以上の早期化」「短期決戦」「AI採用元年」が挙げられます。一つ目の「早期化」の例として、インターンシップについて、弊社の調査では、19シーズンはいわゆる“プレ期”(採用広報開始前)の実施企業が大幅に増加しました。企業の動きに呼応して学生の動きも早期化しており、インターンシップのエントリー人数は、17シーズン→18シーズンが前年の1.4倍、18シーズン→19シーズンが前年の1.2倍と増え続けています。また、選考についても早期化の動きがみられ、3月1日時点で約9割の企業がエントリーシートなどの選考受付を開始しています。
二つ目の「短期決戦」について、学生のプレエントリーの動きをみると、前年の最終プレエントリー人数を100としたとき、採用広報開始から10日後の3月10日までに約6割の学生が一気にプレエントリーしています。その後、プレエントリー人数は急激に減少、6月上旬時点では前年のプレエントリー人数を下回っています。つまり、学生は3月1日より前に業界を絞り込み、3月10日までにプレエントリー=企業探しを終えていることがわかります。加えて、ここ数年、学生の就職活動量は年々減少していて、19シーズンの内々定者1人あたりのプレエントリー社数は平均26社(速報値)。売り手市場が続くと予測されるなか、採用成果のためにはプレ期の接点が欠かせず、20シーズンも「早期化」「短期決戦」の傾向が続くと思われます。

——採用活動が早期化・短期化する中で、採用担当者はどんな課題に直面しているのでしょうか?

河辺:前述の早期化・短期決戦に加えて、働き方改革の影響で「短期間に、短い労働時間で、大量の応募者から自社の求める人材を見極めなければならない」という、大変難しい課題に直面されています。この課題は、従来の選考方法――例えば毎日夜遅くまでエントリーシートに目を通したり、全国へ出張して面接を実施したりといった、工数と時間をかけて何とかするという方法では解決できません。この状況を打開するために、“AI採用”や“Web面接”という、テクノロジーを活用した新しい施策に注目が集まっています。
當間:19シーズンは、多くの企業が採用活動におけるAI活用に取り組んだ「AI採用元年」といえます。さらに、弊社が実施した採用ご担当者アンケートでは、20シーズンの新卒採用において、AI採用を「既に導入している」「導入が決まり準備中」「導入に向け検討中」を合わせると、26.3%。実に4社に1社以上の企業がAI採用に積極的であることがわかっています。
河辺:人事の方々のお話を伺っていても、以前は「時流だからとりあえず導入してみよう」という温度感が強かったように思いますが、いまは「やらなくては勝てない」という危機感を感じます。昨年のAI採用元年を経て、i-web AIにも多くのお客様からご相談をいただいています。
AI採用、Web面接の本格的な広がりに向けて: 自社の採用活動で、HRテクノロジーを活用するには
——AI採用でどんなことが可能になるのでしょうか?

河辺:AI採用というと、当初は書類選考の合否判断など、選考業務の負荷軽減が注目されていましたが、現在はもっと幅広く、かつ深い目的で導入されるケースが増えています。一つは、選考基準の精緻化です。人が判断するとなるとなかなか難しいことですが、AIは先入観や感情に影響されず、複数の軸で明確に判断を行います。また、文系/理系、大学/学部/学科といった属性情報だけでなく、選考履歴、サイトのアクセスログなど、膨大なデータ(ビッグデータ)の分析に基づく判断が可能です。人が行っていた判断をAIに移管するだけでなく、AIの導入によって、これまで明らかになっていなかった“選考基準”を導き出し、精緻化していくことも期待できます。
さらに、学生の志望度・マッチング度に合わせたきめ細かい対応――たとえば、「マッチング度は高いが、志望度がまだ高まっていない学生へ個別に働きかける」「辞退の可能性を予測して学生に合わせた重点的な働きかけを行う」というように、採用活動におけるマーケティングツールとしてAIを活用しているケースもあります。
當間:なかには、「これを入れさえすれば、採用がうまくいく」という印象を抱かせるサービスもありますが、AIは“魔法の杖”ではありません。AIは自らデータを集めませんから、AIが正しい分析や判断をするためには、まずは正しいデータを正確に溜めることが大切です。そして、AIに任せたほうが適している領域はAIに任せ、その結果をもとに、最終的な意思決定は人が責任を持って行う。これがAI活用の基本スタンスと考えています。

Web面接は、「応募者」「企業」双方にメリットあり “応募機会の拡大”と“業務効率化”を両立する処方箋

——AI採用と並んで注目されている施策、“Web面接”の状況を教えてください。

當間:冒頭申しあげた通り、働き方改革の影響で、「採用ご担当者様にとっての業務効率化」のニーズは現在、非常に高いです。ただ、売り手市場のなか、採用成果をあげるためにはそれだけではダメで、同時に「応募者の利便性アップ」という視点が必要となります。
河辺:売り手市場の影響で、遠い会場での選考は物理的・金銭的な負担が大きいため敬遠する、効率的に選考を受けたいという、応募者の傾向が強まっています。そのような中、応募者・企業双方にメリットのある施策として、導入企業が増えているのがWebセミナーやWeb面接です。

この後、Web面接・Webセミナーの現況と具体的なメリット、Web面接が簡単に導入できる採用管理システム「i-web LIVE」などについて伺います。続きは、記事をダウンロードしてご覧ください。


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