転職活動を行った人の3割以上が「生成系AI」を活用。「自己PRの作成」など様々な場面で
生成系AIの技術は急速に進化を遂げており、さまざまなビジネスシーンで活用されているが、転職活動においてはどのように活用されているのだろうか。はじめにマイナビは、「転職活動時の生成系AI活用の有無」を尋ねた。すると、直近1年間に転職活動を行った人のうち、合計32.6%がChatGPTなどの対話型生成系AIを活用したことがわかった(「活用したことがあり、今後も活用したいと思う」:23.2%、「活用したことはあるが、今後は活用したいと思わない」:9.4%の計)。また、今後活用したいと思う人は合計62.5%(活用したことがあり、今後も活用したいと思う:23.2%、活用したことはないが、今後は活用したいと思う:39.3%の計)と、6割を超えた。
生成系AIの活用有無で「転職活動の難易度意識」にギャップあり
次に同社は、転職活動時の生成系AI活用の有無別に「転職活動の総合的な難易度」を聞いた。すると、活用した人では「簡単だった」との回答が4割を超えた一方で、活用していない人では同回答が2割程度に留まったという。そこで、生成計AI活用の有無別に「転職活動のフローごとの難易度意識」を比較したところ、「簡単だった」の回答率で最も差が開いたのは「条件面談(条件交渉)」(活用した:38.6%、活用していない:16.4%)で、22.2ポイント差だった。この結果から、書類選考や面接選考だけでなく、条件面談(条件交渉)など転職活動ならではの場面でも、生成系AI活用の有無により転職活動の難易度意識に大きな差が出ることがわかった。
生成系AIを活用した人の「内定獲得率」と「内定獲得社数」は、活用しなかった人の2倍以上に
続いて同社は、生成系AI活用の有無別に「直近1年間に転職活動を行い転職した人の選考状況」を調べた。すると、「応募数の平均」、「書類選考通過数の平均」、「内定獲得数の平均」のいずれにおいても、「生成系AIを活用した人」の方が多かった(各4.6件、8.5件、17.2件)。特に「内定獲得数の平均」は4.6件(活用していない人との差:2.8件)で、活用していない人より2.5倍以上多かった。また、「生成系AIを活用した人」の「内定獲得率」は27.1%だったのに対し、「活用していない人」は12%で、2倍以上の差が出た。これを踏まえ同社は、「難易度意識だけでなく内定獲得数や獲得率でも差は出たが、活用方法次第では、自分の個性や本質的な強みに気づけず、画一化されてしまう恐れもあるため、今後AIとの付き合い方はより重要になってくるのではないか」との見解を示している。
将来的に管理職や役員になりたくない人は6割前後に。その意向は男性より女性が高く
最後に同社が、現在役職に就いていない一般社員を対象に「将来的に管理職や役員になりたいと思うか」を聞いた。その結果、「管理職になりたくない」は59.5%、「役員になりたくない」は65.5%で、管理職・役員ともに6割程度の人が前向きではないことがわかった。性別でみると、女性の7割以上が「管理職・役員ともになりたくない」と回答した。同回答について、「全くなりたくない」とした人は、管理職・役員ともに女性で4割を超えた一方、男性では2割台に留まっており、その差は15ポイントを超えた。政府は時期を区切り、女性の管理職比率や役員比率の数値目標を定めたが、男女の区別なく将来的に管理職や役員を目指したいと思える制度や組織作りなどを優先することが重要だと考えられる。