DDI社の創設、そしてMSC社との出会い
寺澤 本日はインタビューをお受けいただき、ありがとうございます。バイアムさんは世界最大級の人材コンサルティング会社、DDI社の創設者でいらっしゃいます。まずは、日本の人事・経営者の方々にDDI社をご紹介ください。バイアム 1970年の設立以来、DDI社はリーダーのアセスメントや能力開発を専門としてきました。これらに関するサービスを、現地事務所や提携先を通じ、20カ国以上の言語で世界93カ国に提供しており、年間25万人以上のリーダーシップ開発に携わっています。
寺澤 日本では、長年にわたって株式会社マネジメント サービス センター(MSC)をパートナー企業とされています。両社の関係、これまでの歴史を教えていただけますか。
寺澤 梅島さんは、日本における経営・人事コンサルタントのパイオニアとして知られています。MSC社の社長、会長を務められ、日本における女性ビジネス・リーダーの草分け的存在でもあります。最初に梅島さんと会われたころ、どのような印象を持たれましたか。
バイアム 当時から日本で非常に目立ったユニークな方でした。時には、私たちの方がパイオニアである梅島さんをオピニオンリーダーとして追随するような状況もあったと記憶しています。
世界54カ国で、リーダーに関する大規模グローバル調査を実施
寺澤 バイアムさんの最新の著書『Leaders Ready Now』は、日本ではMSC社の協力の下、『次世代リーダーシップ開発』(共著:Matthew J. Paese + Audrey B. Smith + William C. Byham、監訳:株式会社マネジメント サービス センター、藤原浩)として出版されました。実は、ProFutureはこの翻訳書を出版した会社です。この本には、世界93カ国、年間25万人以上のリーダーシップ開発に携わるDDI社のノウハウが凝縮されていますが、執筆動機も含めて、日本の方々にご紹介いただけますか。バイアム この本では、これからのリーダーの成長を加速するために不可欠な6つのメソッドを提示し、具体的に解説しています。今、世界中の企業を見ていると、リーダーとして誰を昇進させればよいのか、そういう人材を社内から登用できるのかといったことを議論しています。社内にいない場合は、社外から採用しなければなりません。DDIの調査によれば、多くの企業で、自社のリーダーのうち80%は社内から登用すべきであると考えています。しかし、実際には60%を社外から採用しています。なぜなのかと問うと、社内で即戦力となるリーダーがいないという現実があり、将来のビジネスを担う次世代リーダー開発が進んでいないという状況は世界中の企業でみられ、大きな問題です。そこで、この本を書きました。
バイアム その通りです。今回、日本でも、95社、約1,500名のリーダーからデータを得ることができました。その調査結果ではリーダーシップに関する日本の状況や問題を明らかにする興味深いデータが含まれています。
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