内定辞退をすべて連絡済みの文系は半数止まり
次に、企業側が最も恐れる「内定辞退」について見ていきましょう。6月の段階で複数企業からの内定を取得していた場合、志望度の低い企業への内定辞退連絡はどの程度されているのかを聞いた結果が[図表8]です。では、「内定を辞退した理由」は何なのでしょうか。文系・理系ともに最多は「より志望度の高い企業から内定を受けた」で、それぞれ74%、78%と7割を優に超え、次点の理由とは50ポイント以上の差をつける、断トツの理由となっています[図表9]。
そのほか、「ネット上や知人から良くない口コミを聞いた」、「給与・待遇が良くなかった」、「残業が多そうだった」などが上位の理由として挙がっています。注目したい項目は「希望する勤務地にならなそうだった」で、文系の7%(9位)に対して理系は11%(5位)とそれを上回り、内定辞退理由の上位になっていることです。文系と比べて理系のほうが採用職種や配属先が明確になっていることが多く、内定段階で勤務地が予想できるケースが多いことも背景にはあるでしょう。また、前掲の[図表4]で見たように、「内定承諾を決めた理由」では、文系の50%に対して理系は56%と、文系より「勤務地」を重視する傾向があり、その裏返しともいえそうです。「企業規模が小さかった」(文系3%、理系6%)も同様でしょう。
「その他」と回答した学生のフリーコメントを見ると、「社風がいまいち分からなかった(文系、中堅私立大)」、「志望する職種ではなかった(文系、中堅私立大)」、「将来性への不安(理系、上位私立大)」、「Webと対面で印象にギャップがあった(文系、その他私立大)」などの理由が挙げられる中、最も多かった理由が「内定承諾期間が短かった」で、「その時点で決定する踏ん切りがつかなかった(理系、旧帝大クラス)」とのことです。