大賞受賞は年間1,000人の採用を達成したアクセンチュア

プロ・リクルーターによる採用変革が日系企業で加速
 そして、いよいよ発表となった第3回ダイレクト・リクルーティング・アワード大賞の受賞企業は、アクセンチュア株式会社。昨年度、優秀賞を受賞した同社は、以後も取り組みをさらに推進し、今年度は大賞受賞となりました。

 授賞式に続いて行われた大賞企業の講演では、同社の人事部中途採用スペシャリスト、長谷川紀子氏がこれまでの取り組みを紹介。総合コンサルティングファームとしてグローバルに事業を展開するアクセンチュアでは、世界各国で積極的にダイレクト・リクルーティングを推進していますが、その中で、アクセンチュアジャパンでは2016年度、年間約1,000人の中途採用という過去最大の高い目標に挑んだとのこと。「何とかこれを達成しました」と長谷川氏が話すと、会場からは驚嘆の声が上がりました。

 アクセンチュアジャパンでは、約1年前の2015年末、採用ボリュームの増加に対する人事部の人員不足、転職市場に少ないコンサルタントやエンジニアなどの採用難、採用コストの増幅などの課題を解決するため、3つの戦略を始動。

 長谷川氏は次のように説明します。
 「戦略の1つ目は、人員増や業務効率化を含む採用チームの組織変更。2つ目は、経営戦略の中に人事戦略を置き、両者を連動させるタレント・アクイジションの導入。そして、3つ目が、ダイレクト・リクルーティングの加速です。これらを並行して推進することにより、目標を達成することができました」。

 また、長谷川氏は、ダイレクト・リクルーティングの比率を圧倒的に増加させることに成功できた要因として、リクルーターの活動に関する様々な取り組みを紹介。各リクルーターの行動や数値を分析し、全体的なボトムアップを図る一方で、決まったやり方を押しつけるのではなく、戦略・戦術に関しては各リクルーターに裁量をもたせてアドオンできるようにするなど、バランスの取れた取り組みが印象的でした。

個人を対象とするプロ・リクルーター賞も新設

プロ・リクルーターによる採用変革が日系企業で加速
 ダイレクト・リクルーティングの浸透に伴い、注目されているのが、プロ・リクルーターの存在。主体的、能動的な採用活動を推進する採用スペシャリストは、海外では以前から非常に重要なポジションとして位置付けられており、ビズリーチではこのような人々をプロ・リクルーターと呼んで、企業での配置や育成を提唱しています。今年度から新設されたプロ・リクルーター賞は、採用数だけではなく、ダイレクト・リクルーティング普及の貢献度、取り組みを評価し、個人を対象に表彰するもの。発表された受賞者は、アマゾンジャパン合同会社の人事部リクルーター、バーケル祐芙子氏でした。

 リクルーターとして採用の数を増やすということは、出会いの数を増やさなければならないという基本行動を徹底し、優秀人材との出会いを積極的に創出しつつ、多くの決定にコミットしているというバーケル氏。ダイレクト・リクルーティングは同社において、「特に今年からはリクルーティングチーム全体としてフォーカスしていくべき、1つの大きなKPIでもありました」と語るバーケル氏からは、「今後も常に候補者様の気持ちに寄り添い、ご経験を最大限活かしていただけるポジションの提案に務めたいと思っています。ありがとうございます」と喜びの声が聞かれました。

 日本の採用活動や採用担当者のあり方が変わりつつあることが見て取れた、ダイレクト・リクルーティング・アワード2016。閉会の挨拶を述べたビズリーチの取締役キャリアカンパニーカンパニー長、多田洋祐氏は、「過去2回は外資系企業様、インターネットベンチャー様強しという状況でしたが、第3回の今年は優秀企業賞に数多くの日系企業様が名前を連ねられました」と、ダイレクト・リクルーティングの広がりを強調。プロ・リクルーターの育成を含め、ダイレクト・リクルーティングに積極的に取り組む企業が今後も増えていくことを予感させながら、表彰式は終了となりました。

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