突出して長い「旧帝大クラス」の就職活動期間

内定取得者を対象に、今後の就職活動の継続意向を尋ねたところ、最も多かったのは「第1志望の企業に内定したので終了する」で、文系64%、理系に至っては80%に達しています[図表6]。「第1志望の企業ではなかったが内定したので終了する」(文系13%、理系9%)を合わせた “終了派” は、文系で76%、理系では89%に達します。

一方、「第1志望の企業に内定したがまだ他も見たいので継続する」と「第1志望の企業に内定していないので継続する」を合わせた “継続派” に「内定0社の学生(未内定者)」を加えると、採用活動を継続している企業の採用対象となる学生の割合は、文系で33%と約3分の1、対して理系ではわずか14%にとどまります。理系採用を継続している企業にとっては、厳しい採用活動が続きそうです。
[図表6]内定取得後の就職活動の継続意向
次に、「早期化・長期化」が叫ばれる中で、学生は就職活動にどのくらいの期間を費やしているのでしょうか。“終了派”を対象に、就職活動を始めて終了するまでの期間について、文系で最も多かったのは「10~11カ月程度」で、24%と4分の1近くになります[図表7]。次に多かったのは「4~5カ月程度」(22%)で、これに「6~7カ月程度」(18%)が続き、「3カ月以内」「8~9カ月程度」「1年以上」もそれぞれ12~13%と、かなりバラつきが見られます。

理系で最も多かったのは「8~9カ月程度」(23%)で、「10~11カ月程度」も22%とほぼ同割合、両者を合わせると半数近くに上ります。「3カ月以内」は10%と最も低い割合ではあるものの、文系の12%と大きな差はなく、一般的なイメージでは理系のほうが文系より就職活動期間が短い印象がありますが、必ずしもそうではないようです。
[図表7]就職活動に要した期間(文系・理系別)
就職活動に要した期間を文系・理系別ではなく、大学グループ別に比較したところ、非常に興味深い結果が得られました。「3カ月以内」は、「その他私立大」の割合が他大学グループより顕著に高く43%と4割を超えています[図表8]。また、「10~11カ月程度」と「1年以上」では「旧帝大クラス」が他大学区分より顕著に高く、ともに31%となり、両者を合わせた “10カ月以上” は6割を超えています。他大学グループでは、“10カ月以上” の割合はいずれも3割程度ですので、「旧帝大クラス」は約2倍になります。大学グループによって就職活動にかける期間が顕著に異なることが分かります。「旧帝大クラス」の学生は他大学グループより就職活動に長期間を費やす傾向があること、この背景として、早期から企業研究やインターンシップなどの活動を始めており、また内定承諾先を固めるのにも時間をかけていることが推測されます。
[図表8]就職活動に要した期間(大学グループ別)

5~6割近い学生が内定承諾先に不安あり

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