大企業の6割以上が「2023年3月」までに内定出し開始

ここからは、再び採用担当者向けの調査に戻り、「2024年卒採用の内々定出し開始時期」について見ていきます。全体では、「2023年3月」ごろから増え始め、「2023年4月」に1回目のピーク14%があった後、「2023年7月以降」が最多で18%となっています[図表7]。「2022年6月以前」という超早期に開始した企業も9%もあり、「2023年1月」までに開始する企業は31%で、「2023年3月」までには過半数の51%の企業が開始することになっています。
[図表7]2024年卒採用の内々定出し開始時期
企業規模別で見ると、大企業では「2022年11月」ごろから増え始め、年明けの「2023年1月」(13%)~「2023年3月」(13%)でピークとなり、「2023年7月以降」も再び13%と高くなっています。また、「2023年1月」までに開始する企業は41%で、「2023年3月」までには64%もの企業が開始することになっています。

中堅企業では、大企業よりも遅れて「2023年5月」(16%)をピークに「2023年2月」~「2023年6月」で67%が開始する予定となっています。「2023年1月」までに開始する企業は28%で、大企業とは10ポイント以上の開きがあります。

中小企業では、「2023年7月以降」が最多で30%となる一方、「2022年9月」までに開始した割合は20%で、大企業(13%)や中堅企業(16%)より高くなっていて、選考面接の開始時期と同様に、内定出しの開始時期においても、中小企業では両極化が目立っています。

「内々定出し開始時期の前年比較」では、全体では、「ほとんど変わらない」とする割合が8割を占めるものの、「早まる」(「早まる(2週間超)」と「早まる(2週間以内)」の合計、以下同じ)としたのは16%で、「遅くなる」(5%)の割合の3倍以上となっています[図表8]
[図表8]内々定出し開始時期の前年比較
企業規模別に見ると、大企業では「遅くなる」と回答企業は皆無で、15%が「早まる」と回答。中堅企業では「遅くなる」が5%あるものの、「早まる」は23%と圧倒的に多くなっています。一方、中小企業では、「早まる」の11%に対して、「遅くなる」も8%と最も多く、その差はあまりなく、こちらでもさらなる両極化が見て取れます。

半数以上がすでに面接選考を経験

ここからは、再び就活学生の動向を見ていきます。まずは、企業側でマス型採用から個別採用へのシフトが起こっている中、どのくらいの学生が「逆求人サイトや知人を通じて企業からのアプローチ」を受けているのでしょうか。アプローチの有無を聞いた結果が[図表9]です。
[図表9]逆求人サイトや知人を通じて企業からのアプローチの有無
文系・理系ともに大差はなく、それぞれ54%、53%と半数以上の学生が既に12月の段階で何らかのアプローチを受けた経験を持っています。企業の側では、2月以降に逆求人サイトの利用を開始するところも少なくなく、これからの就職活動中にこの割合はさらに増えるものと推測されます。ごく一部の学生だけにアプローチが集中するのではなく、登録学生に幅広く出会いの機会を創出するツールになってきていることがうかがえます。

次に、「12月上旬時点で既に面接選考を受けた社数」を聞いてみたところ、文系・理系ともに「0社」は48%で、半数以上の学生が既に面接選考を受け始めていることが分かります[図表10]。既に面接を受けている学生の社数を見てみると、「1社」の割合は理系の21%に対して、文系は13%と開きがあり、「2社以上」(「2社」~「10社以上」の合計)の面接を受けている割合は文系のほうが多くなっています。
[図表10]12月上旬時点で既に面接選考を受けた社数

4割以上の学生が既に内々定を承諾

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