OB・OGの意見より口コミサイトの情報を参考

内定を取得した後、承諾をするまでに学生は誰に相談しているのでしょうか。相談相手・相談先について尋ねたところ(複数回答)、文系で最も多かったのは「親、兄弟などの親族」で70%、次いで「友人・知人」が63%で続きます[図表4]。3番目に多かったのは「大学の教授・キャリアセンター」ですが、24%と上位2項目を大きく下回っています。

一方、理系で最も多かったのは「友人・知人」の74%で、「親、兄弟などの親族」が68%で続きます。上位2項目は同じですが順位は異なります。これらに次いで多かったのは「大学の先輩等」(32%)で、「大学の教授・キャリアセンター」(30%)をわずかに上回っています。理系の回答者は大学院生(修士)の割合が文系よりも格段に多く、研究室における縦のつながりが重視されているものと思われます。

なお、相談相手が「いない」と回答したのは文系・理系とも5%にとどまり、就職先については自分1人で決めてしまうのではなく、ほとんどの学生は誰かに相談しながら進めていることがよく分かります。
[図表4]内定承諾先決定における相談相手(複数回答)
内定承諾する際、周りの相談相手による意見・アドバイス以外に、どんな情報を参考にしているのでしょうか。[図表5]で「家族の意見」や「友人・知人の意見」など、[図表4]でも選択肢に出てきた相談相手を除いた項目を見ると(複数回答)、「口コミサイトの情報」が文系50%、理系でも40%で最も高い割合となっています。企業が発信する「公式サイトの情報」は文系で18%、理系で22%と20%前後、「OB・OGの意見」も文系・理系ともに20%にとどまる中、顔を見たこともない第三者の口コミのほうが情報として参考にされる(信頼される)風潮に改めて驚かされます。また、「SNSの情報」(文系24%、理系18%)にも敏感なようです。

普段の生活においても、飲食店選びや商品選びなどの際、グルメサイトや通販サイトに掲載されているユーザーの口コミ情報を必ずチェックするという習慣が、就職活動にもそのままつながっているようです。ネガティブな書き込みへの対策を立てる上で、自社について就活口コミサイトにどう書かれているのか、企業側も把握しておく必要がありそうですね。
[図表5]内定承諾までに参考にした情報(複数回答)

突出して長い「旧帝大クラス」の就職活動期間

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