AI化の波を恐れることなく、いまやるべきことにフォーカスせよ!

いっぽうで辻井氏は「日本の企業は国内のマーケットに固執しすぎ。日本で結果を出してから世界進出という考えは通用しない。他国のスタートアップは最初から世界市場を見据えている」と、企業側の意識改革を促す。

面白いのは、AIの発達によって逆に雇用機会が増える可能性がある、という点でも各氏が一致していることだ。「相手の背景まで読み取ったうえでの説得・交渉・メンタリングなど人間にしかできないことはまだ多い」「時給の安い職種はAI化に投資しても見合わない」「人と人との触れ合いが付加価値になる職業もある」「かつて農作業の自動化によって農業人口は劇的に減少したが、農業から離れた人たちは都市部に出て新たな職業や雇用を生み出した。歴史が繰り返すなら、AI化を通じても同じようなことが起こるのではないか」というのが、その理由だ。
いま働く人々も、彼らを雇用する経営者も、AI化の波にただ怯えたり踊らされたりすることは避けるべきだろう。AI化によって代替可能なタスクや解決できる問題を正確に把握し、新たに創出される仕事領域や雇用を予測。個人として必要なスキルを身につけ、企業としては“AI時代”に求められる人材を育成する。そうした戦略的な行動こそがいま重要なのだと感じさせるセミナーであった。
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