課題はたくさんありますが、代表的なものとしては、学生と企業の情報格差が挙げられます。企業側は毎年新卒採用を行っているので、経験値がどんどん高まっていきますが、一方の学生側は毎年初めての就職活動。要は素人が玄人に挑んでいるような構図になるわけです。そもそも学生は、世の中にどんな仕事があるのか、どんな会社があるのかを知る機会があまり多くありません。そのような中で、就職活動には、卒業までに決めなければいけないというリミットがあります。必然的に学生は知っている会社から順番に受けていくことになり、結果としてそれが両者の出会いの機会ロスを招いてしまうのです。
また、第四次産業革命などがもたらす環境変化によって、企業の経営戦略もこの数年で大きく変わってきました。そして経営戦略が変われば、採用戦略も変わり、求める人材像も変わってきます。FinTech化が進む金融業界で、IT系人材が求められているのがわかりやすい例でしょう。しかし、多くの学生はそういった現状を知らないため、知っている会社から受けていくことになります。昨今欲しい人材が集まらず、困っている企業が多いのには、そういった背景もあると思います。
さらに近年、就活の方法が多様化し、就活生がエントリーする社数も年々増えています。そのため企業と学生が互いに向き合う時間が減り、密なコミュニケーションを取ることが難しくなってきました。こうした相互理解不足もまた、ミスマッチが発生する大きな要因だと考えられます。