日本よりHRに関する施策が先行している米国で、リファラル採用は当たり前となっており、過去10年間で最も採用者数が多い手法といわれています。そんなリファラル採用が近年、日本で注目され始めたのは、海外で流行った採用手法が遅れてやってきたという従来の流れに加えて、国内の採用トレンドが大きく変化しているためでしょう。
現在、日本は有効求人倍率が過去最高水準となっており、企業は従来どおりの求人広告や人材紹介を利用した採用活動中心では、狙った人材の獲得が難しくなっています。そのため、社員の繋がりから、狙った人材を発掘し、確実にアプローチできる方法に企業が着目し始めました。その一つが、リファラル採用です。
一方、個人に目を向けてみると、求人情報の取得方法が、かつての紙中心からWebでの求人媒体、そしてリアルへと移行しています。最近では、口コミサービスなどのCGM(Consumer Generated Media)のみでなく、TwitterやInstagramなどより身近な知人の透明性の高い情報を重視する傾向が高くなっており、求人票では分からない「現場で働く人の生の声が聞きたい」というニーズが高まってきていると見て取れます。その点、社員がアプローチするリファラル採用であれば、求職者は直接仕事や職場について情報を得られます。
つまり、企業と求職者のニーズが一致していることが、リファラル採用が注目されている背景にあるといえるでしょう。