6月4日 (水) 13:30 - 14:30(提供:株式会社ペイロール)

給与アウトソーサーが目指す「ミス撲滅と見える化」

〜導入検討のポイントと最新動向〜

株式会社ペイロール 営業部 部長 浅井 周嗣 氏

給与業務の外注化を検討する中で、委託先の「ミス発生のリスク」と「不透明な業務工程」に対する不安から、導入を躊躇する企業も多いようです。 本講演は、これから給与業務の外注化・切り替えを検討される方に向け、不安の原因とその解決手法を、弊社が培ってきたノウハウや事例と共にご紹介いたします。 また、2013年に成立した「番号制度(マイナンバー)」が給与業務に与える影響や対応のポイントについても触れてまいります。

給与計算業務のアウトソーシング普及を阻害する要因は何か
私どもペイロール社は、2014年現在、幅広い業種・業界の約240社をお客様とし、約84万名の給与計算業務のフルアウトソーシングを受託している企業です。本社は東京ですが、大量処理型業務は北海道に置くBPOセンターに集約していることが特色となっています。近年、内部統制強化の必要性や非コア業務の外注化がトレンドとなっており、給与計算業務を内製化からアウトソーシングへ切り替えられる企業は増えています。とはいえ、欧米では給与計算業務のアウトソーシングが当たり前のように普及しているのに対し、日本ではまだまだ進んでいるとはいえません。アウトソーシング普及率は欧米で70〜80%ですが、日本では15〜20%にとどまっています。ペイロール社でも、年々、受託企業の数は増えていますが、現場の実感としても、やはり、アウトソーシング普及を阻害している要因がいくつかあると考えています。 たとえば、導入をご検討いただくお客様からは、アウトソーシングすると「業務プロセスが見えにくくなる」、「従業員の利便性が下がってしまうのではないか」、「ノウハウがなくなるのが不安だ」といった声をお聞きします。また、一度アウトソーシングを経験した後、社内処理に戻したことがあるお客様もおり、「部分的な業務の外出しで、逆に工数が増えてしまった」、「アウトソーシングをすると精度が下がる」といった不満を口にされています。「アウトソーシングして本当に大丈夫か」という不安が大きく、なかなか導入に踏み入れないケースがかなりあるようです。 そうした不安を取り除いていただくため、ペイロール社では給与計算業務アウトソーサーとして3つのことを実現させる必要があると考えています。今日は、私どもが進めているこの取り組みについてご説明したいと思います。
属人的な要素を極小化し、永続的なミス撲滅の仕組みを構築
1つ目は、ミスを永続的になくすための取り組みです。 通勤交通費などが存在せず、給与の仕組みがシンプルな場合が多い欧米企業と異なり、日本企業の給与の仕組みは複雑で、給与計算業務の正確性は担当者の経験とノウハウに頼っている場合が多いのが実情です。そうした担当者がいなくなったり、繁忙期に経験の浅い人が業務応援に入ったりすると、ミスが発生しやすくなってしまいます。 そこで、ペイロール社では、まず、WBS(Work Breakdown Structure)と呼ばれる作業手順書を導入し、全てのクライアント企業に対して給与計算業務の定型化を行っています。お客様の作業も含め、業務を流れに沿って全て定型化、文章化し、共通のチェックプロセスを設けることにより、誰にでも抜け漏れのない業務処理ができるプロセスを構築しています。当然、これはお客様ごとにそれぞれ違い、業務が複雑なお客様の場合は50〜60ページになることもあります。 また、ジャッジメントと呼んでいる「検査」のシステム化を行っています。紙の書類のエントリーやデータインポート、データの整合性チェックなどを、人によるダブルチェックは当然ですが、さらに検査項目をコンピュータシステムに登録し、システムが自動的にチェックする仕組みです。たとえば、こういう身分の方がこの手当の申請をするのはおかしいといったことを、システムに給与区分を登録して、この給与区分の方はこの該当項目の支給が0円でないとおかしいはずだというようにチェックするわけです。こうした検査のパターンは現在200種類以上あります。 そして、さらに、ペイロール社における給与計算業務の工程を最初から最後まで標準化、分業化し、あたかも工場のラインのように進めていく「センター化」の体制をつくっています。お客様ごとの特別チームを構築するのではなく、業務ごとに、データ入力を行うエントリーセンター、通勤費判定や支給計算業務を行う通勤費センターというように専門センター化しているため、1社の給与計算業務に携わる弊社のスタッフ数は200名を超えています。スタッフのノウハウを蓄積しつつ、属人的なリスクを排除することが可能になる仕組みです。
「見える化」の実現と「従業員満足度向上」への取り組み
2つ目は、「見える化」の実現に向けた取り組みです。 まず、品質の見える化です。給与計算業務をアウトソースすると、企業にとって業務がブラックボックス化することが懸念点だとされますが、ペイロール社ではまず、お客様とSLA(Service Level Agreement:サービス品質保証契約)を締結し、見えにくいとされるアウトソーシング品質を定量化、開示しています。給与計算の結果のみならず、コールセンターのスタッフが従業員の方から電話で問い合わせをいただいたとき、何時間以内に返答したかという時間測定なども行っています。 次に、オペレーションの見える化です。業務の流れをテンプレート化して、全てフローに落とし込み、フローマップを作成して納品しています。このフローは常に最新の状態にアップデートしているため、お客様の中で体制変更があった場合でもスムーズな引き継ぎが可能となっています。 最後は、Webサービスによる状況の見える化です。従業員の方々に、ご自分が上げた申請や勤怠状況、過去の給与情報などについて、いつでもWebで閲覧していただける環境を提供しています。 そして、3つ目が「従業員満足度向上」のための取り組みです。 たとえば、従業員の方々に給与に関連する申請をしていただく際、Web申請オンリーとしたり、アウトソーサー指定の用紙やデータフォーマットに限ったりすることなく、従業員の方々のさまざまな働き方に応じた業務設計を実現しています。 また、従業員の方々向けの専用コールセンターをご提供し、入社前の内定時の段階から、いつでも何度でも気軽にご利用いただけるほか、過去の問い合わせ内容はすぐ確認できる環境を整え、スピーディで正確な対応を行っています。 さらに、新たな試みとして、業界で初めて「従業員完全選択型」オペレーションサービスをリリースする予定です。これは会社、拠点、組織単位で固定するのではなく、申請をWebから行うのか、紙で行うのかというように、オペレーションを従業員ごとに自由に選択していただけるサービスです。 以上が、私どもの進めている「ミス撲滅」、「見える化」、「従業員満足度向上」への取り組み内容です。給与計算業務のアウトソースをご検討される際に、ぜひ参考にしていただければと思います。
レポートはまだ続きます。気になる内容の続きはダウンロードしてお楽しみください。

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提供:株式会社ペイロール

講師紹介

  • 浅井 周嗣

    株式会社ペイロール 営業部 部長
    浅井 周嗣氏

    入社以来、新規顧客へのアウトソーシング導入を多数手がける。外資系金融企業や大手製薬会社など、多くの大型案件の営業責任者を経験し、効果事例の知識を豊富に持つ。また、新規導入プロジェクトマネージャーも多数経験、業務改善に関しても深く理解する。現在、営業部長を務める。