6月4日 (水) 10:40 - 11:40(提供:ソフトブレーン・サービス株式会社)

なぜ営業研修は成果につながらないのか?

人事部がおさえるべき営業体系と効果に繋がる取組み方

代表取締役社長/一般財団法人プロセスマネジメント財団 代表理事 野部 剛 氏

多くの業種において国内市場は縮小傾向にあり、競争が激化しています。勝ち残るために営業力強化に取り組んでいることでしょう。しかし、思い描いていたような成果を収められているでしょうか? 営業というのは一見、お客様とのコミュニケーションが全てで、成果を上げるためにはコミュニケーション力を上げればいいのではと考えがちです。半分正解ですが、半分不正解です。組織的に成果を上げるためには、営業を体系的に捉え、総合的に強化していく必要があります。
コミュニケーションはそのひとつで、ポイントは他にもあります。営業から距離がある人事部門は客観的に課題を把握し、的確に手を打てる部門なのです。そのためのポイントを理解していただきたいと思います。

日々の業務のなかでいかに実践し、定着するか。
営業研修がうまくいかないという課題はよくお聞きします。お客様が実際にどのように営業研修を実施されているかお聞きすると、ある階層の、もしくはある一部だけの受講者を集めて、外部の講師や社内のインストラクターから、スキル、ノウハウについてのありがたいお話を聞き、アンケートをとり、アンケートのスコアで受講者の反応がよかったのでまた来年もやりましょう……というパターンが非常に多いです。 皆様も薄々気づいているかもしれませんが、ある一定のレベルを持った講師が話をすれば、アンケートのスコアをよくすることはそんなに難しいことではありません。だから「アンケートのスコアがいいから来年度もやりましょう」というような、一過性の研修方法では、成果には繋がらないのです。 我々は営業研修会社ではなく、コンサルティング会社です。研修のお手伝いをする時、受講者の皆様の気分をよくして耳障りがいい話しかしないなんてことは一切しません。逆に「正直言われてぐさっと来た」とか「半ばむかついた」ということもよくあります。相手の行動を促し、成果につなげるためには、耳障りの悪い話もしなければならないのと思っているからです。 一日、二日だけ集めて成果が上がるなんてことはまずあり得ません。あったとしても稀なこと、ほとんど奇跡と言ってもいいかもしれません。研修と成果の間には相関性がないからです。成果につなげる為には「日々の業務のなかでいかに実践し、定着させるか」が大事なのです。
イメージをお伝えすると、皆様が歯を磨くイメージです。つまりは「習慣化」です。例えばお風呂で体を洗うとき、皆様の中で順番があると思いますが、たとえ眠くても酔っていても、一定のパフォーマンスで実践できますよね。それが「習慣化」であり、身についているということなのです。 習慣のレベルまで持っていくには、一過性の集合研修を何回やったところで、あまりうまくはいきません。では、何が必要かというと、日々の業務のなかにいかに埋め込むかということがポイントになります。
「OJT」とは、同行営業、同伴営業のこと?
「営業人材を育成するために御社は、何を実践されていますか?」という質問に対し、 「OJT(on-the-job training )でやってます。」といった回答が多くあります。その場合のOJTは、多くの場合は同行営業、同伴営業のことを指しています。「同行営業、同伴営業をどのくらいしているんですか?」とお聞きすると、課員一人あたりにつき月に一件、二件多くて10件という回答が多いです。月に一件、二件、多くて10件の同行で人材育成はできるのでしょうか。
我々は、OJTには少なくとも三つの要素があると思っています。
一つ目は「同行営業」や「同伴営業」です。
二つ目は「事前準備」。
お客様の元へ営業マンが向かう前段階で、いかに上司との擦り合わせをし、仮説を立て、すべての面談の内容が想定内だったという状況をつくれるか!さらに面談実施後には、商談プロセスにおける半年後、一年後のゴール感を上司・部下できちんと擦り合わせ、一の矢、二の矢…と、すべてを想定、準備し、その想定内で実現できるか!また、お客様から何らかのご質問を頂戴し、それに対して適切な対応がとれるか! こうしたことに対して、きちんと準備をしておかない限り、決して大きな成果を上げることはできません。
さらに三つ目は「実践的なロールプレイング(以下、ロープレ)」。
皆様は楽器やスポーツの経験はありますか?うまくなりたいと思ったら、何をしますか?しましたか?当然トレーニングをしますよね。トレーニングをしない限りうまくはならないし、スキルは身につかないと思いますが、いかがでしょうか?
ロープレは、営業にとってきわめて重要なトレーニングです。トレーニングもしないで、いきなり実践を始めるという育成方法は多くの大手企業でも実践されています。トレーニングしないで直接試合をして成果を上げている人がいますか?なぜスポーツや楽器ではやっているトレーニングを営業ではしないのでしょうか…。一過性の研修でどうにか克服しようとしても、それは難しいことと言えます。
人の成長は「わかる」「できる」「つづける」の3段階。
「わかる」ための第1歩は、標準化・共有化を図ることです。基準があるから足りている、足りていないが分かるように、自社の営業スタイルの標準があることで、自分の位置が分かります。そういう意味では一般的な研修やセミナーも決して効果がないとは言えません。当然、ある程度の理解は進むと言えます。
ところが、残念ながら、「わかる」と「できる」の間には大きな溝があります。「できる」と「つづける」の間にもあります。
「わかる」と「できる」の間の溝を埋めるためにはトレーニングをすること、準備を徹底することです。
さらには、「できる」と「つづける」の溝を埋めるためには、それを仕組み化し、習慣化させることで継続性を持たせられるのです。
レポートはまだ続きます。気になる内容の続きはダウンロードしてお楽しみください。

  • 多くの企業がロープレのやり方を間違えています。
  • トップセールスマンが実践する「質問方法」。
  • 「営業プロセスマネジメント」のパイオニアとして…。

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講師紹介

  • 野部 剛(のべ たけし)

    ソフトブレーン・サービス株式会社 代表取締役社長 / 一般財団法人プロセスマネジメント財団 代表理事
    野部 剛(のべ たけし)氏

    早稲田大学卒業後、野村證券へ入社。 本店勤務。4年間一貫して、リテール営業。トップ営業マンとして活躍。 2005年5月ソフトブレーン・サービス株式会社入社。 執行役員を経て2010年7月に代表取締役社長に就任。 著書に「 これだけ!Hou Ren Sou(報連相) 」(すばる舎) 「 90日間でトップセールスマンになれる最強の営業術 」(東洋経済新報社) 『 成果にこだわる営業マネージャーは「目標」から逆算する! 』(同文舘出版)がある。