「オンライン面接」とは、企業の採用担当者と応募者が直接会わず、インターネットを介し、パソコンやスマートフォンなどを利用して面接を行うことをいいます。初期段階の面接でオンライン面接を実施し、直接会うのは最終面接だけという例が一般的です。
応募者が企業などに直接出向いて行う通常の面接方法の場合、企業側にも応募者側にも、時間やコストなどの負担がかかります。特に、近年、学生の就職活動における金銭的負担が大きいことは社会問題にもなっています。地方在住の学生が首都圏など遠隔地の企業に面接を受けに行く場合、交通費、宿泊費、往復の移動による長時間の拘束といった制約があるため、応募を断念せざるを得ない状況も生じているといわれます。海外の大学で学ぶ学生の場合も、こうした負担がかかっている状況は同じです。
企業側にとって、オンライン面接を行う大きなメリットは、新卒採用、キャリア採用のいずれでも、通常の面接方法では出会えなかったような遠隔地在住の優れた人材の応募数増加が期待できること。そこで、東京など大都市の企業が地方大学出身者の採用を拡大するためにオンライン面接を導入したり、地方の企業がUターン・Iターン就職・転職に興味を持つ人材を獲得しようとオンライン面接を活用するといったケースが増えてきています。さらに、採用業務の効率化を目的として、正社員だけでなくパート、アルバイトの選考プロセスでもオンライン面接化の流れが広がってきました。
オンライン面接を実施する場合は、企業の採用担当者と応募者があらかじめ面接の日程を決め、当日、インターネット接続可能なパソコンとWebカメラ、スマートフォンなどを使って面接を行います。ただし、最近は、採用担当者が質問を行う動画を見ながら、質問への答えを応募者が自ら撮影、応募する「セルフ面接」を行う企業も増え始めています。この場合はスケジュール調整も不要で、より多くの応募が期待できます。オンライン面接への企業の関心が高まるにつれ、リーズナブルに利用できるオンライン面接のシステムやアプリケーションも増えてきました。面接の録画やセルフ面接、スケジュール調整などの機能を提供するサービスもあり、選択肢が広がってきています。
「オンライン面接」のコツとNG人材を見抜くポイント
2020年6月1日、2021年春卒業予定の大学生らを対象にした企業の選考活動が、政府の要請する就職活動ルールの上で解禁した。今年は新型コロナウイルス感染症の影響で新卒・中途を問わず、面接の“風景”が一変している。多くの企業が、新型コロナウイルス感染予防のために、面接官と候補者が直に顔を合わせる対面式を回避。パソコンやスマートフォンのビデオ通話機能を使って、インターネット経由でやりとりする「オンライン面接」、「WEB面接」に切り換える動きが加速している。トヨタ自動車やパナソニック、NTTドコモなど、最終面接までオンラインだけで完結するという企業も増えてきた。オンライン面接にはメリットも多いが、選考の過程で課題もいくつか存在する。そこで、オンラインによる面接の注意点と人材を見抜くポイントを紹介したい。目次
- オンライン面接のコツは、質問を簡単明瞭にしてリアクションは大きめに
- オンライン面接ならではの落とし穴
- オンライン面接でNG人材を見抜く2つのポイント