「官民連携」「産官学共同」という言葉がこれまで何度も使われてきたが、実際のところ官と民の壁は高く、連携とは程遠いイメージを持っている人も多いのではないだろうか。そんな中、「官僚が行う業務外での公益的活動(いわゆる越境活動)」をサポートする「一般社団法人トライセクター」という団体がこの春より始動した。同団体では、これまでキャリア支援に携わってきた官僚経験者や現役官僚、人材業に精通する起業家が理事を務め、国家公務員のキャリア開発支援や、公益を目的とする幅広い非営利団体と国家公務員とのマッチングなどを行う。
「官僚が行う副業・兼業などの越境活動」をサポートする団体が始動。民間・公共・社会の3つの垣根を超え「官民知識循環型社会」の実現を図る

「官僚が行う副業・兼業などの越境活動」をサポートする団体が始動。民間・公共・社会の3つの垣根を超え「官民知識循環型社会」の実現を図る
昨年2018年は副業解禁元年とされるが、同年6月15日に閣議決定された「未来投資戦略2018」には、「国家公務員については、公益的活動等を行うための兼業に関して、円滑な制度運用を図るための環境整備を進める」と明記されている。

同団体は、こうした政府の動きと連携を図る元官僚・現役官僚たちにより、霞ヶ関発での多様で柔軟なワークスタイルの促進と、日本社会における一層の官民連携とオープンイノベーションを可能とする社会の実現を目指して立ち上げたものだ。


今後の具体的活動は、大きく分けて以下の3つ。

(1)次世代の官僚モデルの一つとなる「トライセクター人材」育成のため、全ての理事が無報酬で協力し、国家公務員と民間受け入れ候補先によるマッチングサイトを立ち上げる。

(2)上記サイトにおいて、国家公務員側が高めたいと希望する専門性も考慮した上で、地方公共団体、大学、一般社団法人等の公益を目的とする幅広い非営利団体との間でのマッチング支援とメンタリングを行う。

(3)さらに、キャリア支援の専門家による「トライセクター人材」となるためのキャリア開発のための情報発信を行う。

活動内容を概括すると、一般社団法人トライセクターは、国家公務員などによる業務外での公益的活動(越境活動)について、受入れ候補先とのマッチング支援や国家公務員のキャリア開発の支援を行っていく団体だ。

民間・公共・社会の3つの垣根を超えて動く“トライセクター人材”の活躍を支えることで、「官民知識循環型社会」の実現を図っていくという新たな動きに注目したい。

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