■「面接において感じる悩みのうち、最も当てはまるものは何ですか?」と尋ねたところ、結果は以下の通り。
・早期離職の可能性の高そうな人材を見極められない(30%)
・自社に合う人材を見極められない(24%)
・本当のことを答えているのか見極められない(20%)
・優秀な人材を見極められない(13%)
・その他(8%)、特になし(5%)
また、「面接で質疑応答以外に取り入れている手法はありますか?」と尋ねたところ、回答率の高かった上位3つは以下の通り。
・特になし(47%)
・性格検査(34%)
・計算問題(21%)
優秀な人材を見極めるよりも、長期間働いてくれる、自社に合う人材を求めている担当者が多いことから、個人の能力よりも環境への適応、周囲との調和などが重視されているようだ。加えて面接での見極めの難しさを感じている反面、質疑応答以外は実施していない人事担当者が多いことが分かった。
■「入社後に面接時とのギャップを感じたことがありますか?」との質問は、以下の結果となった。
・ある(46%)・非常にある(4%)
・あまりない(47%)・まったくない(3%)
また、「どのようなギャップがありますか?」を尋ねたところ、次のようなコメントが寄せられた。(一部抜粋)
【ネガティブな方向のギャップ】
・「話していた経験と実際の仕事ぶりに差があった」
・「こちらから質問できない部分でのギャップがあった(病歴など)」
【ポジティブな方向のギャップ】
・「面接の時とは違い、現場配属するといい意味で明るかった」
・「この人大丈夫だろうか、と感じていた人が勤続3年」
【自社には合わないというギャップ】
・「経験重視で採用したが、自社の仕事と合わなかった」
・「経験者だと思っていたのに、やり方・情報などが過去のもので仕事を任せられない」
さらに、「入社後のギャップを軽減するために実施している策はありますか?」と尋ねたところ、回答を大別すると、以下の4点に絞られた。
1、自社のデメリットもきちんと伝える
2、できるだけフランクに会話する
3、職場見学を実施する
4、先輩社員との面談や座談会(新卒採用が中心)
1と2に関しては、次のようなコメントが寄せられている。(一部抜粋)
【自社のデメリットもきちんと伝える】
・「あえてネガティブな話題も出して応募者の考え方、受け止め方を見る(残業の話など)」
・「働く上で大変なことを包み隠さず話す」
【できるだけフランクに会話する】
・「業務面の話だけでなく、人となりがわかるような話をする」
・「なるべく長く面接をする。人生観、私生活などを話してもらう」
面接は短時間で実施される上に、お互いよく見せようとしてしまうため、ギャップが生まれやすいと考えられる。企業・求職者ともに「目先の内定」を急ぐのではなく、本来の姿を見せ合ったほうが、長い目で見るとお互いにとって最良だが、なかなか難しいのが現実のようだ。
中小企業の人事担当者はそうした状況下で、仕事面以外の人柄や性格を把握することを重視し、求職者の本来の姿を引き出すための雰囲気作りや、質問による誘導を行っているケースが多いことが明らかとなった。